“ハッピー”ではないが涙を誘う映画『Happy Together』
2018年11月09日

“幸せを呼ぶ男たちの、愉快できらびやかな舞台が始まります。”
映画『Happy Together』のポスターに書かれた言葉だ。ポスターの中の4人家族が楽団を作り幸せなコンサートでも開くように見える。
しかし、ポスターとは裏腹に『Happy Together』は『楽しき人生』のような楽しい映画ではなく、内容も‘ハッピー’でもなく、さして愉快でもない。
芸術家を夢見ているが現実はナイトクラブでサックスを吹いて生計を立てるソクジン(パク・ソンウン)の唯一の希望は息子のハヌル(チェ・ロウン)。妻は貧しい生活に耐え兼ね家を出て行ってしまったが、ソクジンはハヌルとともに幸せな生活を送る。しかしナイトクラブの社長は突然サックス奏者をヨンゴル(ソン・セビョク)に変え、出て行った妻が巨額の借金を返せなかったために暴力団組織がソクジンを訪ねてくる。ソクジンは妻の借金を代わりに返すため、ハヌルと漁村に越し船乗りになる。ハヌルは父のようなサックス奏者になりたいと願うが、ソクジンは「私のようになってはいけない」と決して息子にサックスを吹かせようとしない。
映画が進むにつれて、ソクジン親子がぶつかる現実の過酷さは増していく。ポスターだけを見て温かい家族映画を想像した観客は、かなり動揺するであろう。
題名のように幸せを届ける映画ではないが、どんな状況でも互いを愛する父子の姿に心温まり涙する映画だ。
