『偶像』イ・スジン監督「馴染みはないが、深く考えることができる映画」

2019年03月12日

来る20日公開される『偶像』(原題:우상)は劇場を後にしたあと、より一層じっくり考えさせられる作品だ。ミステリースリラー作品だが、隠喩と象徴でいっぱいだ。

11日、鍾路区三清洞で会ったイ・スジン監督は、その解釈を観客に委ねながら、言葉を選んだ。

映画は1つの事件で絡み合った3人の人物の物語を描く。息子が起こしたひき逃げ事故で窮地に追い込まれる前途有望な政治家ク・ミョンフェ(ハン・ソッキュ)、自身の分身とも言える息子を交通事故で失った父ユ・ジュンシク(ソル・ギョング)、息子の事故現場に居合わせたが、姿を消した嫁チェ・リョンファ(チョン・ウヒ)が主人公だ。

3人はそれぞれ違う目的で動く。ク・ミョンフェは政治的野望のため、ユ・ジュンシクは血縁に対する執着のため、チェ・リョンファは生きるために身悶えする。そんな内面の欲望は彼らの目と耳を覆い隠し、盲目的な行動を生み出す。映画は偶像のジレンマに陥った人物たちが暴走する姿を通して偶像の虚しさを伝える。

イ・スジン監督は16年前にシナリオを構成したという。

「大なり小なり、韓国で起こった事件事故を見ながら、その始まりはいつだろうと悩んだことがあります。2000年から思い起こし、シナリオを構成し始めたのが2016年だったので16年間に起こった様々な事件、事故の影響を受けました。その中で、人間がどのように変わるのかを重点的に伝えたかったです」

監督は長編デビュー作、『ハン・ゴンジュ 17歳の涙』(原題: 한공주)で強烈な印象を残し、映画界の注目を集めた。予期せぬ事件で友達を失い、転校することになった主人公、ハン・ゴンジュが経験する成長や痛みを描いた作品だ。

細心な演出で定評があるイ・スジン監督。1つのシーンを何度も繰り返し撮影し、俳優たちはいい意味で「しつこい監督」と口を揃えて言う。彼は「監督の権限は‘OK’を出す事。そのOKのために多くの準備をするしかない」と述べた。

前の記事 エンタメ情報一覧へ 次の記事