「世界で一番可愛い私の娘」の「私」が消えた
2019年08月26日

KBS週末ドラマ「世界で一番可愛い私の娘(原題: 세상에서 제일 예쁜 내 딸)」が最初の段階の企画意図を失っている。
現代社会の新しい親子像に光を当てるという当初の考えは影も形もなくなり、結局ありふれた「血筋」の物語だけが残った。
批判が高まる中、KBSは作品延長を決定し、最終回まであと1ヶ月程度残っている。視聴率も以前の週末ドラマとは異なり20%台後半から30%台前半(ニルスンコリア基準)の間で辛うじて持ち堪えている。
放送序盤はタイトル通り、母親パク・ソンジャとワーキングママの長女カン・ミソン、腹違いの次女ミリ、明るい少女で末っ子のミヘのそれぞれ異なる関係と事情を照らし出していた。
孫娘の面倒を見て、喧嘩をしながらも結局辛い時はお互いを求めるソンジャとミソン、血縁関係はないが実の親子に劣らない強い絆があるソンジャとミリ、そして家にいてもいなくても心配しかないミヘまで。様々な親子像を愉快に映し出し、女性視聴者の好評を得ていた。
しかし、ミリの家族史やミリ&テジュのロマンスに視聴者が最も多く反応した途端、作品は企画意図から脱線し始めた。まず親子関係がミリとソンジャよりも、ミリと実の母親のチョン・インスクに集中し、「世界で一番可愛い私の娘」の「私」がソンジャなのかインスクなのか区別するのが難しくなった。
この過程でハン・ジョンスの理解不能な言動とあまりにも典型的なナ・ヘミの悪行、もどかしくこじれてしまったミリとテジュのロマンスなどが1990年代のメロドラマを見ているかのように繰り返され、視聴者離れが進んでいる。
一度の失踪ハプニングで会社を辞めたワーキングママのミソンと嫁姑の葛藤、ミヘとウジンのロマンスはサブストーリーとして描かれているが、それさえも説得力を得られない雰囲気だ。
テレビ界では「世界で一番可愛い私の娘」の敗因に演出と作家のミスマッチを挙げた。
ユン・ソクジン忠南大学校教授兼ドラマ評論家は24日、電話インタビューで「チョ・ジョンソン作家は明るくコミカルな作品に強いが、キム・ジョンチャンPDは生粋のメロドラマに長けた人物。序盤はチョ・ジョンソン作家が企画意図通りに笑いを届けていたが、最近はキム・ジョンチャンPDが仕切っていたため重さが残った」とコメントした。
実際にチョ・ジョンソン作家の前作「ヨメ全盛時代」「ソル薬局の息子たち」などを見るとメロドラマでありながらも愉快さを失っていない部分が見える。
その反面、キム・ジョンチャンPDは「バラ色の人生」「憎くてももう一度」など360度異なる色の作品を制作してきた。「世界で一番可愛い私の娘」のチョン・インスクは「憎くてももう一度」のハン・ミョンインを彷彿させる。
「世界で一番可愛い私の娘」が心残りいっぱいのままラストスパートをかける中、KBSは次回作「愛はビューティフル、人生はワンダフル(原題: 사랑은 뷰티풀 인생은 원더풀)」にもソンジャに劣らない母親キャラクター、ソヌ・ヨンエ(キム・ミスク)が登場すると予告した。
ユン・ソクジン教授は「既存の週末ドラマで描かれた親子関係の固定観念、先入観、偏見を乗り越えなければ、たとえ異なるストーリーラインを提示しても成果が出ないだろう。これからは血筋を強調するだけでは現実を描くことはできない」とコメントした。
