映画『パンソリ・ボクサー』主演のオム・テグ 「パンソリとボクシングの出会い、唯一無二の映画」

2019年10月03日

とても早いリズムに合わせて拳を差し出し、ステップを踏むボクサーだなんて、映画の題材としては初耳だ。今月9日に公開される映画『パンソリ・ボクサー(原題:판소리 복서)』(チョン・ヒョクギ監督)の話だ。
映画は、「パンチドランク」(脳細胞の損傷)を患う元ボクサーが、自分を応援してくれる“ミンジ”(ヘリ)に出会い、長年の夢だった“パンソリ(韓国の伝統的民族芸能で、物語性のある歌と打楽器の演奏)ボクシング”に再び挑戦するというストーリーだ。
主演を担ったオム・テグ(36)に、2日、鍾路区(チョンノグ)三清洞(サムチョンドン)のカフェで会った。彼は「今まで一度も扱われたことのない題材であるだけに、体当たりで演技に挑戦した」と振り返った。
彼は、元ボクサー役を演じるため、実際の選手たちが冬季トレーニングで行うメニューと同様のトレーニングを行った。約3カ月間、1日5時間ずつ猛トレーニングを行ったおかげで、映画の中では、プロ選手顔負けのボクシングスキルを披露する。
「毎日ボクシングのトレーニングをすることは、簡単ではなかった。選手はすごいと感じた。選手がリングに上がる時の気持ちは、私が撮影現場に入る時の気持ちと似ていると思う。どんなことが起こるか分からないし、緊張する、そんな気持ちだ」
映画は、コメディジャンルだが、質感がとても独特だ。題材自体が異色的なうえ、スポーツ、ロマンス、ファンタジー、ヒューマンドラマの要素まですべて入っている。クスッとする笑いを誘いながらも、「消えていくもの」へのノスタルジアを呼び起こしたりもする。
オム・テグは「ユーモアコードも、深い感動も入っている。(ボクシングの伝説)ジョージ・フォアマンを知っている人は、フォアマンやボクシングに対するノスタルジアも感じることができる」と紹介した。
彼が演じた“ビョング”もやはり、一言で言い表すことができないキャラクターだ。しゃべり方はぎこちなく、鈍いながらも言うことは言う。少年のようでありつつも、純情な男の魅力を見せる。様々な感情を噴出しながらパンソリボクシングをするシーンでは、芸術家のように見えたりもする。オム・テグは、そのような“ビョング”を定型化したリズムではなく、ジャズのような自由なリズムで演じた。
「どこに飛んでいくのかわからない“ビョング”を表現しようとした。“ビョング”は、過去の自分の過ちのせいで、長い間、人に会う事ができないまま、孤立してジムに住んでいたのだろうと思った。会う人と言えば、父のような存在の館長と、ジムの選手である“キョファン”、そして子供たちしかいない。そんな“ビョング”に病気までのしかかってきた時、どんな姿だっただろうと考えた。何よりも病気と真剣に向き合おうと努力した」
オム・テグは、この作品で恋人として出演したGirls day出身のヘリから「明るいエネルギーをたくさんもらった」と振り返った。映画『安市城 グレート・バトル』ではAOA出身のソルヒョンと、ドラマ「助けて(原題:구해줘)」では、Secret出身のハン・ソンファと共演した彼は、「アイドル出身の俳優と共演する機会が多い」と話すと照れ笑いを浮かべた。 「アイドル出身という先入観は全くない。むしろ、私の方が、その方たちの演技から多くの助けをもらい、演技している」
オム・テグは低くハスキーな声がトレードマークだ。耳にまとわりつくような感じではないが、セリフに集中させる力がある。キリスト教信者である彼は、「聖書を声に出してはっきりと読むというトレーニングを長い間行ってきた」と述べた。
デビュー13年目であるオム・テグは、映画『密偵』(2016)で元朝鮮人の日本警察“橋本”役を担い、強い印象を残した。数ヶ月前に放送終了したOCNオリジナルドラマ「助けて2(原題:구해줘2)」では、主演を担い、熱い演技を披露した。現在はパク・フンジョン監督の新作『楽園の夜(原題:낙원의 밤)」を撮影中だ。「俳優として、様々な演技に挑戦したい」という彼に個人的な願いを尋ねた。「家族が健康でいてほしいし、信仰生活を熱心に送りたい。結婚もしたい。好きな女性のタイプ?私は、言葉数が少ない方なので、性格が明るい方がいい(笑)」

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