映画『Vertigo』のチョン・ウヒ、「つらい時は乗り越えようとしないで流れに任せましょう」

2019年10月16日

映画『サニー 永遠の仲間たち』のボンドガール、『ハン・ゴンジュ 17歳の涙』のゴンジュ、『哭声/コクソン』のムミョン、『偶像(原題:우상)』のリョンハまで。
スクリーンでいつも“強い役柄”で強烈な印象を残した女優のチョン・ウヒが、久しぶりに現実に基盤を置いた感性的な演技を披露した。
今月17日に公開される映画『Vertigo(原題:버티고)』で彼女が演じる役柄はIT会社で契約社員として働くデザイナーソヨン。職場や恋人、家族などどこにも心の置き場所がなく、なんとか日々をやり過ごす人物だ。
最近鍾路区(チョンノグ)三清洞(サムチョンドン)のカフェで会ったチョン・ウヒは「これまでは、明確なメッセージがあったり新しい話により惹かれた。年齢が30代になり誰でも共感することができ、日常を盛り込んだ演技をしてみたかった」と述べた。先日放送が終了したドラマでは脚本家の役を演じ明るく軽快な演技を披露した。
『Vertigo』の中のソヨンは少し違う。社内で密かに恋愛中の相手はある瞬間連絡が来なくなり、母はたびたび電話を寄越し身の上を嘆く。会社の再契約シーズンを控え圧迫感も高くなり、めまいや耳鳴りの現象もぐんとひどくなる。ソヨンは真空の中に閉じ込められたようなもどかしさと不安を感じるが、本音を明かすこともできない。
チョン・ウヒは「ソヨンを見つめた時、とてももどかしく見えるという話も聞いた。しかし誰かには経験豊富で巧みなことが、ある人にはとてもつらい事かもしれない。例えばある人は見知らぬ人や同僚に親切に優しく接するが、ある人は挨拶することさえも恥ずかしく手に負えないこともある。ソヨンもまた自分なりに最善を尽くして配慮を尽くしてきた人だと思った」と振り返る。
彼女は「女性の主人公で女性に対する出来事を描いた女性のための映画ように見えるが、実は今の時代を生きている人々の共通した感情を扱っている。誰もが数多くの人と交流するが寂しくて孤独な時が多く、圧迫感と虚無感を感じているようだ」と述べた。
チョン・ウヒは映画『恋する神父』でデビューした後『母なる証明』、『サニー 永遠の仲間たち』、『明日へ』などで人気となり初主演作『ハン・ゴンジュ 17歳の涙』で各種授賞式の賞を総なめにした。その後も個性ある演技で地道にフィルモグラフィーを積み重ねてきたが、彼女にも耐えなければならないつらい瞬間はあった。チョン・ウヒは映画『偶像』の撮影時を振り返った。
彼女は「『偶像』はイ・スジン監督と『ハン・ゴンジュ 17歳の涙』以後、2作目で私が成長したということを証明したかった。でも撮影が当時、予定よりはるかに長引き7か月間行われたので、緊張感を維持することが容易ではなかった。しかも当時演技のためにまゆ毛がなく外出することもできず家で一人の時間を過ごした」と述べた。
チョン・ウヒは「その時すべてのことを使い果たしたようだった」とし「私ができることをもっと乗り越えたかったがそうすることができず失望し、初めて意欲を失った。作品を選ぶ時や演じる時に恐怖も生じた」と打ち明けた。
チョン・ウヒはその時間をどのように耐え抜いたのだろうか。
彼女は「振り返ってみるとそんなつらい時間を送ったからこそエネルギーを得て、今、演技ができるようだ。つらいときはあまり乗り越えようとしてはいけない。不満を言ったり、大げさに痛がったり、倒れたら倒れたまま座り込み、再び力を出してただ流れに任せるのが一番重要なようだ」と説いた。
演技以外の自分をさらけ出すことを恥ずかしがっていた彼女は昨年からYouTubeチャンネル「チョン・ウヒの喜喜楽楽」を運営中である。自宅で過ごす時間を楽しむ彼女が新しい趣味を探しさまざまな分野に挑戦する内容を盛り込む。「演技以外は興味をそそるものがない。それでも今は演技以外にもエネルギーを注いだり、得意なことを探したい」と意欲を見せた。

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