見どころ満載の韓国型災害映画『白頭山』、いよいよ公開
2019年12月19日

今冬最大の話題作に挙げられる映画『白頭山(ペクトゥサン、原題:백두산)』。公開前日の18日、マスコミ試写会が行われた。
同作品は、ハリウッドの専有物とされていた「火山の噴火」という斬新な素材とイ・ビョンホン、ハ・ジョンウ、・マ・ドンソクなどトップスターたちの共演で早々に注目を集めた。投入された純制作費だけも260億ウォンに達する。『神と共に』シリーズでは、2600万人を動員したDexter Studioの新作でもある。
映画は、ハリウッドの災害映画のスタイルを大きく外れることなく南北の現実に合わせてストーリーを展開していく。馴染みがありながらも異色の「韓国型」災害ブロックバスターとして誕生した。派手なスペクタクルはもちろん、父性愛やアクション、ユーモアなどが適度に調和し、年末に家族が一緒になって楽しむのにもよさそうだ。
映画は、白頭山の1次爆発の影響で、ソウル都心があっという間に廃墟と化すシーンから始まる。合計4回の爆発が予想されている状況で、最後の爆発が発生した場合、朝鮮半島の半分以上が廃墟となってしまう。
政府は白頭山の火山爆発を予測したカン・ボンレ教授(マ・ドンソク)のアドバイスに従い、最後の爆発を防ぐため秘密作戦に突入する。北朝鮮にある核起爆剤を白頭山内部のマグマ溜りで爆発させ、圧力を下げようという構想だ。
そして除隊を控えた爆発物処理班(EOD)のチョ・インチャン(ハ・ジョンウ)大尉を北朝鮮に送り込む。彼が担った任務は北朝鮮武力部所属1級要員のリ・ジュンピョン(イ・ビョンホン)と接触し、核の素材を調べ、起爆装置を白頭山まで運ぶこと。リ・ジュンピョンは、韓国の二重スパイという事実が発覚し、北朝鮮に収監された人物だ。映画は、それぞれ違う目的を持つ二人の男が紆余曲折の末、秘密作戦を遂行していく過程を描く。
『神と共に』シリーズなどで高いレベルの視覚特殊効果(VFX)技術を披露したDexter Studioは、今回もVFXに相当な力を入れた。試写会を映画公開前日に行ったのも異例で、最後の1カットまで手を抜かなかったことがうかがえる。そのため、白頭山の爆発シーンや廃墟と化した都市の姿をかなりリアルに具現化した。見慣れたソウルの街や建物は、瞬く間にドミノのように崩壊し、ダムも崩れ、漢江の橋に水が押し寄せる。
『神と共に』シリーズが死後の世界の地獄を描いたとするなら、『白頭山』は、現実の地獄を描く。白頭山爆発がいくつかの研究において「実際に起こりうる科学的現実」だという事が立証されたため、ただの映画ではないリアルさを持って迫ってくる。アメリカや中国など朝鮮半島情勢を反映して現実感を高めたこともこれを後押しした。
『白頭山』は、災害映画だが、『工作 黒金星と呼ばれた男』、『鋼鉄の雨』のように、南北要員間の協力と友情に焦点を合わせる。臨月の妻を置いて、うっかり秘密作戦に送り込まれたチョ・インチャンと地下牢に閉じ込められていたリ・ジュンピョン。最初の出会いはぎくしゃくしていたが、「子どものパパ」という共通点で格別な「ケミ」(ケミストリー・相性)を見せる2人。一段と力を抜いたハ・ジョンウと、口調、表情を自由自在に変化させるイ・ビョンホンの演技の相性はぴったりだ。特にイ・ビョンホンは、その名に恥じぬ演技力を披露する。最初の登場から観客を驚かせ、アクションはもちろんユーモア、繊細な感情表現で観客を夢中にさせる。
もちろん惜しい点もなくはない。特にストーリーの蓋然性を一つ一つ追求し始めると、キリがない。中間の編集は、ぷつんと切れている印象が残り、一部のCGシーンは、CGだとわかってしまうほど不自然だ。感情を表現する過度なサウンドも惜しい部分だ。
しかし、全体的には、面白かったという印象の方が上回り、娯楽映画として十分にその役割を果たしていると言える。『ヨコヅナ・マドンナ』、『彼とわたしの漂流日記』などを演出したイ・ヘジュン監督と『PMC:ザ・バンカー』を撮影したキム・ビョンソ監督が共同でメガホンを取った。
