キム・ナムギル、「ハ・ジョンウさんの演技はいい加減に見えたがバランス感覚に優れていた」
2020年02月07日

「私がおしゃべり?私はよくしゃべるのは嫌いだ…」
俳優のキム・ナムギルはギャップがある俳優だ。冷たく都会的なルックスとは異なり、茶目っ気たっぷりでユーモアがあふれる。どんな質問にも滞りなく次々と答える達弁家でもある。自他ともに認める‘話術家’の俳優ハ・ジョンウと互角だ。そんな2人が一つの作品で出会った。現在、韓国で公開中の映画『クローゼット(原題:클로젯)』(キム・グァンビン監督)でだ。
最近、ソウル・鍾路区(チョンノク)三清洞(サムチョンドン)で会ったキム・ナムギルは「普段からホラーやオカルト映画は怖くて観ることができない。ジャンルや題材が新鮮で挑戦した」と述べた。
そしてすぐ率直な答えが返ってきた。「製作者であるユン・ジョンビン監督とジョンウ兄さんに一緒にやってみようと言われた。作品がうまくいけば今後このようなジャンルへの投資も頻繁に行われるのではないかと説得され、やらざるを得なかった」
彼が演じた役柄は退魔師のギョンフン。一夜の間に家で娘を失ったサンウォン(ハ・ジョンウ)を助け、タンスの中に宿る悪霊を追い払う。初めはいい加減な詐欺師のように見えるが、次第にその能力を立証していく。
キム・ナムギルの得意技である奥ゆかしさとコミカルさを行き来する演技は今回も光を放つ。
彼は「少し重い雰囲気のこの作品で休止符のような役割を担いたかった」とし「それでも全体的なトーンを合わせようと演技にあまり力を入れなかった」と述べた。
この作品はホラー映画というジャンル的な枠の中に、児童虐待や家庭崩壊といった重い社会的テーマを盛り込んだ。
キム・ナムギルは「ジャンル的な色合いを持っていくのか、それとも社会告発的な映画を追求していくのかについて迷いがあった」としながら「監督などと話をした末に、結局は人について話そうと結論を出した」と振り返った。
彼は劇中さまざまな退魔儀式を披露する。お守りを付けて呪術を唱えながら夢中で太鼓を叩く。後半ではほとんど憑りつかれたような姿を見せている。
キム・ナムギルは「最初はあまりにも没頭して演じてしまって、皆に、本当に取り憑かれたのかと思ったと言われた。他のオカルト映画とは異なり幽霊や悪魔を直接戒めるのではなく、人が解決できるように補助する役だったのでトーンを下げてまた演じた」と回想した。
日頃から親しいハ・ジョンウと初めて共演をした感想も冗談交じりに打ち明けた。「最初はジョンウ兄さんの演技を見て『あんなにいい加減でいいのか』と思ったが、すべて繋げてみると作品全体を見てバランスを合わせる能力が優れていた」
キム・ナムギルは今年18年目のベテラン俳優だ。2008年にデビューし、2013年のドラマ「サメ~愛の黙示録~」などで都会的でありながら悪い男の魅力をアピールした。スクリーンでも『パイレーツ』(2014)、『無頼漢 渇いた罪』(2015)などさまざまなジャンルを行き来し幅広い演技を披露した。
着々とフィルモグラフィーを積んできたが、賞レースとは縁があまりなかった彼は昨年、デビュー後初めて演技大賞のトロフィーを手にした。
彼は受賞当時を振り返り「大きな興味はなかった」としながらも「私をその場にいさせてくれた仲間たちの前で賞をもらいその方々に花を持たせることができてよかった」と述べた。
キム・ナムギルは長い俳優生活を通じて様々な経験を積み、演技観も大きく変わったという。
彼は「若い頃は私が出演した映画は“千万映画(1000万人の観客を集めるヒット映画)”にならなくてはいけないし、視聴率は50%を超えなくてはいけないと、興行に執着することもあった。『何かを見せなくては』という強迫概念に苦しめられた。しかし3、4年前からは演技をすること自体がありがたいと思うようになった。軍隊や周りの環境など、他意によって下り坂を辿っているうちに、自ら荷を下ろすようになった」と付け加えた。
キム・ナムギルは「まだやってみたことのないジャンルが多い。コメディやメロ、ノワールのような正統派のジャンル作品に出演したい」と思いを明かした。彼は次回作で俳優チョン・ウソンの演出デビュー作『保護者(原題:보호자)』に出演する。
