映画『あの山の向こう』 イ・ハンナ…ポン・ジュノ監督の推薦でキャスティング

2020年04月24日

重い荷物を抱えて行商に通わなければならない貧しい状況だが、息子を正しく育てようとする母親。息子が天主の志に従って生きることを望む母親。息子に神父となることを勧める母親。母親は7歳の末っ子の息子が自分の心の畑に植える信頼の種を育てることができるよう手助けをする。
故・金寿煥(キム・スファン)枢機卿(すうききょう:カトリック教会における教皇の最高顧問)の幼少時代を描いた映画『あの山の向こう(原題:저 산 너머)』で女優のイ・ハンナが演じた母親の話だ。
今月23日午後、ソウル鍾路区(チョンノク)昭格洞(ソギョクドン)で会ったイ・ハンナは「初めは役柄が魅力的というより難しく感じた」と打ち明けた。
彼女は「特に神父になれというシーンが難しかった。どうすれば信仰者だけでなく、すべての人の共感を呼ぶことができるか悩んだ。答えがなかったので、演技の技術よりは、私自身の心でアプローチするのが最良だという結論を下した。『神父になれ』という言葉は宗教的な意味もあるが、私欲で子どもを見つめるのではなく、子どもが広い考えを持って生きていく中で、“世の中に必要な人になる”という道を選ばせようとする意図だと思った」と明かした。
実際の人物(ソ・ジュンファ・マルチナ女史)を演じたことについては「本や資料を読んで写真も見た。プレッシャーもあったが、ドキュメンタリーではないので私の中にある何かがその方が持つ何かと出会い、新しい人物として誕生することを願った」と述べた。
金枢機卿の幼少時代の人生を扱い、少年寿煥の祖父母が宗教を理由に迫害を受けたという内容が描かれるが、作品は宗教色よりは少年寿煥の純粋な気持ちをなぞっている。
イ・ハンナも「宗教映画だと思っていたら、選ぶときに迷っていたはず」だと述べた。
彼女は「監督が母性と子ども、母親と神、私たちの内面の美しい世界、そして童心についての物語だと話していて、私も宗教の話ではないと思った」と説明した。
作品の中では美しい風景が広がるが、現場でキャストたちとスタッフたちは猛暑と闘うなど死闘を繰り広げた。
イ・ハンナは「生命の危険を感じるほど暑かった。塩を食べながら撮影し、結局身の危険を感じて中断したこともあった。物を売り回っていた時、頭の上に載せた物がとても重くて鍼を打ったり、リアルに見せるために顔を黒くするメイクを施したりもした」と振り返った。
イ・ハンナはこの役柄とどのように出会ったのだろうか。無宗教の家族が全員で明洞(ミョンドン)聖堂を訪れた次の日、まるで運命のように出演オファーを受けたという。演出を務めたチェ・ジョンテ監督はイ・ハンナをキャスティングしたことについて「ある監督が推薦してくれた」と話した。その推薦者は他ならぬポン・ジュノ監督だった。
彼女は「初めは推薦者が誰なのか教えてくれなかった。ポン・ジュノ監督だと言われて光栄だった。ポン・ジュノ監督が以前、私が演劇をしている姿をご覧になったようだ」と明かした。
演劇の舞台で演技のキャリアを積み、演出もするイ・ハンナは映画『弁護人』(2013)、『4等(原題:4등)』(2015)、『サバハ』(2019)、『私を探して(原題:나를 찾아줘)』(2019)などの映画に出演した。この日動画配信サービスNetflixを通じて公開された映画『狩りの時間』ではギフン(チェ・ウシク)の母親役を演じた。
イ・ハンナは「映画の方に移ってきてから3、4年経つがその前は演出を活発にしていた。まだカメラの前で演技をする自分が見慣れない。あまり時間が経っていないので。夢は映画でももっと良い結果を出したいし、やりたかった作品を演出してみたい」と抱負を述べた。

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