家族の意味を問い返す…映画『侵入者』、来月公開

2020年05月28日

あなたは見知らぬ人を家族として迎え入れることができますか。
映画『侵入者(原題:침입자)』が観客に投げかける質問だ。チャンビ青少年文学賞を受賞した小説「アーモンド」で名を知らせた作家ソン・ウォンピョン。彼女が初めて商業映画の演出を担ったこの映画で、誰もが属しているが、それぞれ違う「家族」の意味を問い返す。
小説「アーモンド」と映画『侵入者』は、スタートが同じだ。ソン監督は「出産という個人的な経験を通して様々な考えを持つようになった。新しい家族を迎えながら抱いた多くの疑問のうちの1つが、枝を伸ばしミステリースリラーというジャンルに行きついた」と説明した。
新たに迎えることになった家族が「期待とは違う子」というのが小説と映画の共通点だが、一方で映画のキャラクターの構図は「疑いを捨てきれない見知らぬ人、25年ぶりに会った兄妹」でなされている。
6ヶ月前、ひき逃げ事故で妻を失った建築家“ソジン”(キム・ムヨル)は、神経症を患っている。
幼い娘を連れて実家に戻り、過ごしていたところ、一本の電話がかかってくる。それは、待っていた妻の交通事故捜査の知らせではなく、25年前に失踪した妹“ユジン”(ソン・ジヒョ)が見つかったという知らせだった。
ソジンは初めて会うのに、“お兄ちゃん”と呼んで気さくに振る舞うユジンに疑いを抱く。両親はもちろん、母親の死を知らず今か今かと帰りを待っていた娘のイェナまでも、ユジンに母親の姿を重ねるかのうように喜んで受け入れ、彼女にはまり込んでいく。
その上、ソジンが信じ頼っていた家政婦が突然いなくなり、ユジンが呼んだ新しい家政婦や病気の母親のための理学療法士がやってくる。ソジンの疑いは確信に変わり、ユジンの正体を暴き、真実に近づいていく。
ユジンの奇妙な行動と表情は、観客側からしても疑わざるをえないのに、ソジン以外の家族は、なぜ一瞬にしてユジンに心奪われてしまうのか。そのような疑問がある瞬間晴れると、今までとは違う気持ちで映画を見守るようになる。
冒頭に「あなたが考える理想的な家は何か」という質問に対して、建築家であるソジンが「誰でも楽にくつろぐことができる…、僕が一番僕らしくいられる…」となんとか答えた後、ついには席を外してしまうというシーンがある。
ソジンの「トラウマを伝え、スタートする」と宣言するこのシーンは、映画の最後、ユジンが知っている家、育った家の意味と対称をなす。とてもストレートな監督の質問であり、観客に投げる宿題だ。
新型コロナウイルスの影響で2度も公開を延期し、ついに6月4日公開される。R15指定映画だ。

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