『鋼鉄の雨2』に出演のシン・ジョングン…「副艦長が見せる部下愛の表現に一番集中した」

2020年08月06日

先月29日に公開された映画「『鋼鉄の雨2:首脳会談(原題:강철비2:정상회담)』を最後まで見てみると、これこそ真の主人公だと感じさせるキャラクターがいる。
韓国・北朝鮮・アメリカの首脳会談中、3首脳が北朝鮮の核潜水艦に拉致されることで繰り広げられるこの映画。劇中、圧倒的な存在感を放ったのは、韓国の大統領でも、北朝鮮の委員長でも、アメリカの大統領でもなく、潜水艦の副艦長“チャン・ギソク”だった。
チャン・ギソクは、潜水艦戦闘の北朝鮮最高戦略家だったが、党の決定に反対し、潜水艦副艦長に降格される人物だ。何を考えているのか読めないポーカーフェイスながらも、同志愛にあふれ、使命感が強いという副艦長を、俳優シン・ジョングンは実在する人物かのように見事に演じきった。
5日午後、鍾路区(チョンノグ)三清洞(サムチョンドン)で会った彼は「こんにちは。副艦長のシン・ジョングンです」と自己紹介した。
彼はチャン・ギソクについて「このような役柄を本当にやってみたかった」と語り、チャン・ギソクへの愛情を隠し切れない様子だった。
「事務所で台本をもらった時、“監督を脅迫したのか”と思わず聞いてしまった(笑)。それほどにこのキャスティングが嬉しかった。チョン・ウソンさんが“マイペースだが、後輩の面倒見がいい”と私を推薦してくださったと聞いた。監督も脅迫はなかったと言っていた(笑)」
彼は「チャン・ギソクが潜水艦内の部下に見せる愛情と最高戦略家としての姿を表現することに集中した」と明かした。
そして「兄弟愛、同志愛を見せる事に最も気を使った。私は、毎週月曜日にサッカーチームの活動を行っているのだが、20年以上この活動をやっているので、年下の子たちと接するのに慣れている。劇中、部下が自分の弟のように思えたりもした。そして次に、チャン・ギソクは最高の戦略家なので、東海の地図をある程度暗記しておく必要があった」と説明した。
ヤン・ウソク監督が、シン・ジョングンにオーダーしたチャン・ギソクの姿は「ポーカーフェイス」だったため、シン・ジョングンは、自身の中にあるコミカルな部分をすべて取り除いた。
「今回は、コメディーをしたいという気持ちが全くなかった。監督が、コミカルに演じてほしいと言ったシーンでも、私はそうしたくなかった。これまでの作品でコメディーをやった時も、笑わせようとしたことはない。状況が面白いだけで、私の演技で笑わせたのではない。ましてチャン・ギソクは、笑わせようとする人物でもなかった」
軍人としては、生真面目さを見せようとした。
「生真面目さ以外の行動は、すべて蛇足になると思った。アドリブも一切なかった。チャン・ギソクが北朝鮮軍だからといって、他の方法でアプローチすることはなかった。ちょっとかっこいいでしょう?(笑)」
そして彼は「副艦長が、これほどまで人気が出るとは思わなかった」とし「3首脳は事実に基づいた人物だが、チャン・ギソクは架空の人物なので人気が出たのかもしれない」と付け加えた。
狭い潜水艦セットで他の俳優たちともみ合いながら撮影していると、劇中のチャン・ギソクと部下、そして韓国大統領ハン・ギョンジェのように絆が深まっていったという。
彼は「兵士を演じる俳優たちが、狭い場所で水も飲まずに待っていたので、水をあげたりして気遣っているうちに、お互い良い感情が生まれたのだと思う。ハン・ギョンジェを演じたチョン・ウソンさんとも、いくつかのシーンを一緒にやっていくうちに、自然と絆が生まれた」とエピソードを語った。
1987年、演劇舞台で演技を始め、数多くのドラマや映画に出演し活躍してきたシン・ジョングンは、「名脇役」や「シーンスティーラー(scene stealer)」(そのシーンを完全に持っていってしまうくらいの存在感を放つ俳優の意)のイメージが強い。映画『亀走る』(2009)、『王になった男』(2012年)、『トンネル 闇に鎖(とざ)された男』(2016)やKBS2ドラマ「ザ・スリングショット男の物語」(2009)、「恋するジェネレーション」(2015)などに出演し、広く知られるようになった。現在は、チェ・ドンフン監督の映画『エイリアン(原題:외계인)』を撮影中だ。
彼は「“名脇役”と言われるよりは、ただ“俳優”と言われたい。名脇役は多いので、希少価値が下がる。単に俳優と呼ばれたい」と笑った。
副艦長が人気となり、一気にシン・ジョングンの人気も上がった。
「この作品のおかげで、今後(俳優としての)責任と義務を果たし、何事にも慎重になると思う。楽しい時間は終わった」と話す彼。
家族の反応を聞くと「顔には出さないが、妻は映画を見て、“握手しよう”と言ってくれた。家族の中で最初に映画を見た次女は“ママ、パパが主人公なのに、結局最後はチョン・ウソンと付き合うんだよ!”と言っていた」と笑った。

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