映画『パイプライン』主演のソ・イングク…「狭い地下での撮影は過酷だった。指の感覚が麻痺したことも」

2021年05月25日

慶尚道(キョンサンド)の方言を巧みに操った下宿生から記憶を失った財閥後継者、消えゆくすべてのことの理由となる存在まで、さまざまな変身を試みてきた俳優ソ・イングクが、今度は原油を盗む“盗油師”として観客の元に帰ってきた。
俳優ソ・イングクは24日、映画『パイプライン(原題:파이프라인)』の公開を控え行われたリモートインタビューで、「観客たちが一緒に痛快になれる映画」だと作品を紹介した。
インタビューの開始を前に、「昨夜はチキンを食べて寝たので顔がむくんだ」と手で顔をゴシゴシとさすった彼は、これまでブラウン管で見せてきた茶目っ気とユーモアあふれる姿そのままだった。
『パイプライン』は送油管に穴を開けて油を引き抜く“盗油師”たちの物語を扱ったユ・ハ監督の初の犯罪娯楽映画。ソ・イングクは送油管に穴を開ける業界最高の技術を持った“ピンドリ”役を務めた。
ソ・イングクはユ・ハ監督からキャスティングされたことに、嬉しさを隠せない様子だった。
彼はユ・ハ監督との作業について「僕を一目見て、気に入ってくださった。僕の洗練されていない“生もの”のような感じを気に入ってくださり、ピンドリにふさわしいと感じてくださったようだ」とし、「撮影した時にひょっとしたら失望させてしまうのではと心配したが、ずっと可愛がってくださり、感情を表現する上で、これでもかというほど、一緒に入り込んだ」と伝えた。
『マルチュク青春通り』(2004)のクォン・サンウ、『卑劣な街』(2006)や『霜花店 運命、その愛』(2008)のチョ・インソンなど、韓国のスター俳優たちと作業してきたユ・ハ監督は、最近記者懇談会で「とてもイケメンでなければ気に入ることもないが、ソ・イングクはぱっと会った瞬間に魅了された」と愛情を示したりもした。
ソ・イングクは犯罪娯楽映画の中でも『パイプライン』が差別化を図った点に、トンネルの中で起こる事件を挙げた。韓国映画の中で原油を盗む“盗油犯罪”を扱ったのは今回が初めてでもある。
主な背景が地中なので狭い空間に俳優やスタッフ2、30人が密集しなければならない時が多く、撮影をしているとすぐに酸素がうすくなり、呼吸が苦しくなるほどだったという。素肌でのアクションが多く苦労も多かったとも述べた。
ソ・イングクは「体を使うシーンも多かったし、極限状態なシーンもいくつかあった。僕が縛られ、ある方法でロープをほどこうとするシーンがあるが、1テイクが長かった。わめき散らし過ぎて、全身に圧力がかかった。ロープをほどいて少し休んだが、小指と薬指が麻痺したようにほぐれず、一週間ほど治療を受けた。そのシーンでは、本当に顔はカッコ悪く映っているが、うまく撮れたようで満足だ」と振り返った。
ソ・イングクは「ラブレイン」でドラマデビューした。俳優として地位を確立し、ブラウン管を駆け巡りながらさまざまな活動をしてきたが、映画は『君に泳げ!』(2013)に続いて今作が2本目。
8年ぶりにスクリーンを通じて観客たちにあいさつをするソ・イングクは「特別な理由があって映画出演を見合わせてきたわけではない」とし、「これまで一番面白そうなものをやってきたが、その結果(映画出演が)久しぶりになった」と説明した。
そして「『君に泳げ!』の時は本当に頑張ったとしたなら、今回は頑張ってうまくやる方法を見つけたように思う」とし、「ドラマでさまざまなキャラクターの演技をしながら、ずいぶん成長した。当時よりもっと面白く、苦しく、楽しい」と述べた。
ソ・イングクは俳優として自分を振り返った時、深さが出た評価した。それとともに、趣向を超越する俳優に生まれ変わりたいと抱負を明らかにした。
そして「年を取ったからというより、数多くの監督や俳優たちと呼吸を合わせながら学んだことが多い。そういうものがきちんと積み重りながら、僕の中で俳優としての何かが固まったように思う。『僕の魅力はこれだからついて来てください』という訳にはいかない。どんな好みであれ、ソ・イングクという人間は演技がとても上手で、どんな演技をやってもソ・イングクは見えず、そのキャラクターの姿が見える、そんな俳優になりたい」と付け加えた。
俳優として多彩なフィルモグラフィーを持つが、歌手としての“渇望”も大きくなっているという。ソ・イングクは2009年に行われたオーディション番組の出身だ。彼は現在出演中のドラマのOSTにも参加している。
ソ・イングクは「アルバムに飢えている状態。楽曲作業をたくさん行い、倉庫に保管しておいた」とし、「この前は音楽作業室を別に作り、親しい作曲家たちと歌を歌ったり、曲も作ったりした。フルアルバムも出したい」と明かした。

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