映画『アクションヒーロー』主演女優イ・ジュヨン、「モデル生活は大変だったが演技を始めて解放感を得た」

2021年07月21日

韓国で昨年秋に公開された映画『サムジンカンパニー』は、乙支路(ウルチロ)にある大企業に勤める高卒の女性社員が、会社の不正を暴いていく物語。優れた実務能力を持ちながらも、いつも雑務ばかりの主人公3人。そんなある日、会社の方針でTOEIC600点を取ったら「代理」という肩書をもらえることになり、3人はTOEICの講習を受けることにする。そのTOEICクラスの中に、頭ひとつ抜きん出る者がいた。
戦略企画室社員のソラだ。
初めてのTOEIC授業で講師に「どんどん進めてください」と言うほどの実力の持ち主で、主人公3人に会社の不正に関する決定的な情報提供をする人物だ。
シニカルなソラを演じた女優のイ・ジュヨンはモデル出身。10年以上モデルとして活動してきたが、大成できず、7年前から短編映画で役者を始めた。
いくつかの独立映画や産業映画で主演や端役を務めた。映画『毒戦 BELIEVER』(2018)では天才麻薬製造技術者のチュヨン役を演じ、強烈な印象を残した。
彼女が主演した独立映画『アクションヒーロー(原題:액션히어로)』は、最近閉幕した「富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭」で作品賞や俳優賞(イ・ソクヒョン)、CGV賞(配給サポート賞)、Watchaが注目した長編賞など4冠を達成した。
最近、リモートインタビューで会った彼女は、話をしている途中、受賞について話が及ぶとしばし目を潤ませた。
「ソクヒョンさんと長い時間、一緒に過ごし、どのように準備して演技したのかをよく知っているため、私の受賞よりもっと嬉しかった。監督も準備しながらたくさん苦労されたことを知っているので、このような成果をとても喜んでいる。私が嬉しい気持ちになることも、このようなチームに出会ったことも、このような瞬間を一緒に分かち合えることも、本当に感謝で幸せだ」
イ・ソクヒョンとはモデルを辞め、初めて通った演技学校で出会った間柄だという。イ・ジュヨンは当時20代後半と若かったが、2、3年先に演技を始めたイ・ソクヒョンに助けられ、親交を深めた。
『アクションヒーロー』のシナリオを受け取ったイ・ソクヒョンにモニタリングを依頼され、それがきっかけで見ることになったシナリオがとても面白かったため、「まだ決まっていない役があれば、ぜひ私を推してほしいと頼んだ」と述べた。
イ・ジュヨンは「後で話を聞いたところ、監督が考えていたリストに私がいたのだそう。当時、私は産業映画やドラマを多くやっていたので、独立映画はやらないのではと言っていたそうだ。私が先に話をしてよかったな、話をしなかったらどうなっていたんだろうと思いながら、これを縁というのだろうとも思った」と振り返った。
『アクションヒーロー』は、夢はアクション俳優なのに、公務員試験を準備する大学生ジュソン(イ・ソクヒョン)が、裏口入学をした演劇映画科のチャ教授(キム・ジェハ)に届いた脅迫の手紙を発見し、この事件を映画として撮影しながら悪党を懲らしめていくコミック・アクション映画だ。
イ・ジュヨンは、アクション俳優を夢見る演劇映画科の学生だったが、夢を諦めチャ教授の下で働く大学生ソンアを演じた。
『アクションヒーロー』は、映画の中で学部生だったソンアが主演した映画のタイトルでもある。ジュソンが偶然これを見て、こんな映画を作りたいと思わせるきっかけにもなった映画だ。
イ・ジュヨンはソンアについて、「振り向けばどこにでもいそうな人で、私の20代の姿でもある」と述べた。
「モデルを10年ほどしたが、有名にもなれず大成もしなかった。無気力だったし、挫折もたくさんした。燃え尽き症候群にもなった。当時、なぜ私にはつらいことばかりなのかと思ったが、振り返ってみると、当時の経験が俳優の仕事をする上で良い糧になっていると思う。ソンアは(夢を諦める前に)俳優の中でもアクション俳優を夢見た活気ある人物だが、私もかなり情熱的な人だった」
助手として時給8000ウォンで働いている大学生のソンアは、チャ教授の指示に従い成績を操作したりする。
そのため「笑うこととは、虚脱したり社会的な仮面が必要な時で、無表情や、眉をひそめる表情など、細かな表情の変化から、悲しく無気力な気持ちがかすかにでも見えてほしい」と述べた。
しかし「同年代が多い撮影現場があまりにも楽しくて、笑いを我慢するのがむしろ大変だった」とも述べた。
映画が好きでシナリオ執筆にも挑戦した。公演を見るのも好きだったが、「俳優になれるとは思わなかった」という彼女は、親しい美術作家が開く展示会のオープニング映像を撮影しながら周りの勧めで演技を始めた。
「演技を始めながら、モデルの仕事をしていた時にはおさまらなかった“消化不良”が洗い流されていく感じがした。性格も明るくなった。これが私にぴったりなのだ、やらなくてはと思った。モデルをしていた時は10年以上も仕事がうまくいかなかったが、演技を始めてからすぐに『身代金(原題:몸값)』(イ・チュンヒョン監督の短編映画)に出会ったので運が良かった」
彼女は「私の良くない感情を周りの人に知られたくなかったし、だからうまく隠す性格だった」とし、「演技をする時は、そんなことから抜け出し自由な解放感を覚える」と述べた。
また「モデルは一番華やかでカッコよく、美しい姿を見せなければならないとするなら、役者は最悪のどん底を見せなければならないと思う」とし、「カッコいいふりをするのが大変なので、私は役者が合っているようだ」と述べた。
「いつも新しい自分を感じてほしいし、それを一番悩んでもいる。安心して見ることができるという信頼を与える俳優になりたい。また私の演技を見る誰かを励ますことができたら幸いだ」

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