世界を揺るがすBTS、「グラミー賞」の壁を超えられるか…注目すべき2つのカギ
2021年11月08日

最も権威のある音楽賞、または最も保守的な賞…。
昨年「Dynamite」で全世界を揺るがしたボーイズグループBTS(防弾少年団)は音楽界最高権威の賞として挙げられる「グラミー賞(Grammy Awards)」の候補に上り、K-POPのポジションをワンランク向上させた。
韓国内外の大衆音楽界の主要賞候補が次々と発表されている中、これまでK-POPを超え主流ポップ市場でも確固たる影響力とヒットパワーを認められてきたBTSが、今度は「グラミー賞」の堅い“壁”を破ることができるのか注目されている。
◇ “初の関門”1次投票締め切り…「今年の影響力を考慮すれば4大本賞への挑戦も可能」
8日、歌謡界によると、「グラミー賞」を主管するアメリカのザ・レコーディング・アカデミー(The Recording Academy)は、今月5日(現地時間)に「第64回グラミー賞」の1次投票を締め切った。
1次投票はグラミー受賞への最初の関門。先月22日から開始された投票には歌手、プロデューサー、レコーディングエンジニア、評論家など、音楽専門家などで構成されたアカデミー会員たちが参加した。
投票結果を反映した各分野の候補は、今月23日に日本基準では24日に発表される予定だ。
歌謡界の内外では、BTSが昨年に続いて今年もグラミーの最初の関門を突破するのではという期待交じりの展望が優勢だ。
BTSは前回の「第63回グラミー賞」で韓国の大衆歌手としては初めて、ポップジャンル市場部門のうちのひとつである「最優秀ポップデュオ/グループパフォーマンス」にノミネートされた。しかし、受賞の栄誉を抱いたのは、世界的スターのレディー・ガガ(Lady Gaga)とアリアナ・グランデ(Ariana Grande)だった。
今年の成績を見ると、BTSが“グラミーのトロフィー”に一歩近づいたのではないかという評価が多い。
今年5月にリリースした英語シングル「Butter」がアメリカ・ビルボードのメインシングルチャート「HOT100」で通算10週間1位を獲得したのに続き、「Permission to Dance」、コラボ曲「My Universe」などが相次ぎヒットに成功したからだ。
また、9月にはアメリカ・ニューヨークの国連本部で開かれた「持続可能発展目標(SDG)モーメント」イベントに、「未来世代と文化のための大統領特別使節」及び、世界の青年代表として招待され演説し、確実に全世界へその存在を印象付けた。
こうした点を反映するかのように、BTSはアメリカ3大音楽授賞式の1つである「2021アメリカンミュージックアワード(American Music Awards、AMA)」で大賞格の「最優秀アーティスト(Artist Of The Year)」をはじめ3部門に名を連ねた。「最優秀アーティスト」部門の候補にアジア歌手が上がったのは今回が初めてだ。
大衆音楽評論家のチョン·ミンジェ氏は「アルバム実績はもちろん、肌で感じる人気、話題性、全てが昨年より遥かにリードしている」とし、「2年連続グラミー賞の候補に含まれる可能性が非常に高い」と予想した。
チョン氏は昨年同様、「最優秀ポップデュオ/グループパフォーマンス」部門にノミネートされると予想しており、「今年発表された楽曲の影響力を見ると、グラミー賞4大本賞となる“ゼネラルフィールド(主要部門)”候補にノミネートされても異論はないほどだ」と述べた。
◇ 秘密委員会廃止がプラスの影響を与えるか?…“保守的・閉鎖的”の傾向突破がカギ
一部ではこれまで“保守的”と評価されてきたグラミー賞が、今年変化を図った点が影響を及ぼしうるという期待も出ている。
これに先立ちザ・レコーディング・アカデミーは、候補選定を牛耳り、“不正論争”まで引き起こした候補選定委員会をなくし、約1万1千人の会員が投票してグラミー候補を指名する制度を導入したりもした。
候補選定委員会は正確な役割はもちろん、名簿さえ公開されていないことで“秘密委員会”と呼ばれ、少数の音楽産業界の大物たちが利害関係によって候補選定を牛耳っているという疑惑が絶えず提起されてきた。
しかし今年からは少数の委員会ではなく、会員全体での投票を通じて候補を選定したことで、BTSの活躍ぶりや世界的ファンダム、そして人気が幅広く認められる道が開かれたというわけだ。
大衆音楽評論家のイム·ジンモ氏は、「BTSはいわゆる“ナンバーワン(ビルボードなど主要チャート1位)”の楽曲を6曲も輩出しており、チャートでも強者として君臨している。特に北米地域の音楽界でのポジションが目に見えて高まった」と説明した。
イム氏は今年3月に行われたグラミー賞の授賞式で、BTSが単独ステージを披露したことについて、「素晴らしいパフォーマンスを披露しグラミー賞に貢献した。文化的な多様性を確保するための側面でも、BTSに高スコアをつけるものとみられる」と分析した。
ただし、有名なポップ歌手もグラミー賞の前では何度も苦い経験をしているだけに、今年もまた容易ではないとの見方も出ている。
ザ・レコーディング・アカデミーの会員のほとんどがアメリカの主流音楽界の伝統的集団で構成されているため、“新しい選択”に難色を示すことは、すでによく知られている事実だ。実際、会員のうちアジア地域は10%にも満たないという。
受賞者の選定が近付くにつれ、世界的なポップスターたちも素早い動きを見せている。候補が発表される11月末以後、英米圏の主要音楽メディアやテレビ局はすでにスケジュールを締め切ったという。
チョン氏は「これまで候補選定委員会に対する“忖度への不信”があっただけで、どんなことをしてきたのかさえも秘密だった」とし、「委員会廃止が変化の始まりなのか、それとも(何の変化もなく)グラミー賞自体が保守的な集団であることを示す指標として作用するのか、結果に注目しなければならない」と述べた。
「第64回グラミー賞」の授賞式は来年1月31日に日本時間では2月1日に開催される。
