「全国のど自慢」のソン・ヘ、デビュー66年目にしてドキュメンタリー映画の主役に…波乱万丈な人生を描く
2021年11月10日

毎週日曜日の昼、「全国、のど自慢!」という掛け声ひとつで約30年。1927年生まれで最高齢の現役タレントとして活動しているソ・·ヘは94歳という年齢にもかかわらず、依然として朗々と愉快だった。
ユン·ジェホ監督が演出したドキュメンタリー映画『ソン・ヘ1927(原題:송해 1927)』は、「全国のど自慢」の最長寿MCソン・ヘの舞台裏での人生を描いた。
黄海南道(ファンヘナムド)載寧郡(チェリョングン)で生まれ、ソン・ボクヒという名前で生きてきたソン・ヘは、韓国戦争当時に延坪島(ヨンピョンド)からアメリカの軍艦に乗って釜山(プサン)に到着した。失郷民(北朝鮮から韓国に非難して故郷に戻れなくなった人々)として海の道を渡りながら、“海(韓国語ではヘと読む)”の字を芸名に使い始めた。
1955年に流浪劇団「蒼空楽劇団」を通じて歌手活動を始め、持って生まれた話術で当時、ク·ボンソ、ソ·ヨンチュン、ペ・サムリョン、イ·スンジュなどとともに劇場のショーステージで活躍した。
その後、バラエティ番組で韓国の女性コメディアンの第一人者イ・スンジュとコンビで活躍し、全国民に名を知らせた。そして『全国のど自慢』で全国津々浦々の国民たちと喜怒哀楽を分かち合った。
ドキュメンタリーでは父親の才能を受け継ぎ歌手を夢見たていたが、交通事故により22歳という若さでこの世を去った彼の息子と、後になって息子が抱いた夢に接することになったソン・ヘの悔恨の涙が描かれている。
9日午後に開かれた試写会に出席したソン・ヘは「映画に門外漢の私がユン監督と縁があり、生まれて初めてドキュメンタリーに参加した」とし、「最初から最後までどのように編集されているのか分からずに観た。恥ずかしく申し訳ないが、一生懸命やったものなのでどうご覧いただけるか気になる」と感想を述べた。
ソン・ヘは末娘が大事にしていた息子の自作曲の録音テープを30年ぶりに聴きながら、しばらく言葉を続けることができず、閉じたまぶたから涙を流した。
彼は「北朝鮮にいたとき、芸術分野に進むという私を父がひどくとがめたので、心でだけ思っていて行動にはできなかった。私もやはり(息子を)承諾しなかった。子どもの胸中を察してあげなければならないのに、それができなかった。これからどうやって父親の役割を果たすのか、資格を失った父親として後悔が大きかった」とし、「父親の役割を果たせなかったという告白」だと述べた。
病を患い6か月間の入院をした後、気を取り直すのがやっとで、極端な考えをしたこともあると語る彼は、観客や視聴者たちの存在が“長寿の秘訣”と語った。
またソン・ヘは「私たちを見つめている方々がいなければ、存在価値がない。公開放送や公演を行う時にお越しになる方々が私たちの財産。いつまでお会いできるか分かりませんが、一生皆さんを支えて行く」とも付け加えた。
映画は昨年、釜山国際映画祭を皮切りに、堤川(ジェチョン)国際音楽映画祭、平昌(ピョンチャン)国際平和映画祭、EBS国際ドキュメンタリー映画祭、茂朱(ムジュ)山里映画祭などで観客たちと対面した。
『ソン・ヘ1927』は18日に韓国で公開され、年齢制限は12歳以上観覧可。
