映画『海賊:鬼旗』のキム・ジョンフン監督、「CGを生かし、息を吹き込んだのは俳優たちの演技」
2022年01月25日

一棟の家ほどの海賊船に向かって押し寄せる津波。船員たちは帆を上げた後、辛うじて舵を回す。まるでサーフィンをするかのように船が波の表面をすべる。
26日に公開される映画『海賊:鬼旗(原題:해적: 도깨비깃발)』に登場するこのシーンは、まさにこの映画のハイライトだ。
映画は、高麗の臣下が隠した宝物を見つけに乗り出した海賊たちの冒険を描いた。ファンタジー・アドベンチャージャンルであるだけに、童話の中でしか見られないようなシーンが満載だ。視覚特殊効果(VFX)会社「Dexter Studios」がワンランク上の技術を動員し完成させた。
映画の演出を務めたキム・ジョンフン監督は24日にリモートインタビューで、「技術が良くなった面も確かにあるが、それだけではない」とし、「コンピューター・グラフィックス(CG)を生かし息づかせたのは俳優たちの演技」だと述べた。
さらに「2019年の夏、梅雨が長引いたため、船に関する撮影は全部冬に延期された。俳優が厳しい寒さの中でも渾身の力を振り絞ってくれた。船に向かって水が流れると想像しながら一心不乱に行った演技が圧巻だった」と付け加えた。
キム監督は海賊王を夢見る船員“マギ”に扮した俳優イ・グァンスの演技も逸品だったと称賛を惜しまなかった。イ・グァンスは映画でペンギンの群れと幻想的なタッグを披露する。しかし、実際の撮影は“青いボール”をペンギンに見立てて行われ、後にCGでペンギンの姿に変えられた。
キム監督はこのシーンについて、「イ・グァンスのワンマンショー」だとし、「撮影が終わっても、夢にペンギンが出てくるほど演技に没頭したそうだ」と述べた。
彼は、「悪条件の中でも不平ひとつ言わず、楽しく撮影した俳優たちに感謝しかない」と重ねて強調した。そして「出演俳優は厳しい寒さだけでなく、ハイレベルのアクションや水中撮影で終始苦労していた」と振り返った。
水タンクを使って俳優に水をかけなければならない撮影の時は、このシーン自体を省いてしまおうかと悩んだりもした。しかし、情熱を持った俳優らのおかげで無事に撮影を終えたと述べた。
また、「特に水中の撮影は、見た目より10倍は大変だと考えてほしい。“ムチ”役のカン・ハヌルさんは撮影後、鼻に入った水を病院で取り除くのが、団主“ヘラン”役のハン・ヒョジュさんは水からあがったら、嘔吐するのがお決まりだった。みんなが低体温症に悩まされた」と振り返った。
映像美や華やかなアクション、コミカルな要素が調和した映画はキム監督が幼い頃に観た『宝島』や『アラビアンナイト シンドバットの冒険』などからインスピレーションを得た。
彼は「2人の子どもの父親として、旧正月に子どもたちと一緒に観ることができる家族映画を作ろうとした」と強調した。
10歳の子どもを試写会に招待し感想も聞いた。幸いにも「面白かった」という評価が届いたという。
「幼い観客の目線に合わせることができるよう、演出にも気を使った」というキム監督は、「子どもたちの満足度と理解度が高いようでうれしい」と述べた。
さらに「前作『パーレーツ』の興行を超えなければならないというプレッシャーはない。ただ、家族が一緒になって見られる映画であるため、たくさん愛されたらと願っている。新型コロナウイルスで大変な時期に『海賊』で少しでも解放感を味わっていただけたら幸いだ」と明かした。
