歌手のイ・パダ、別れをつづった新曲「Lucid Dream」リリース…「過ぎ去った縁はつかめない」
2022年04月06日

「道を歩いて感じる風をつかむことはできないでしょう。私の思いどおり、そばに置くこともできないし、通り過ぎるままにするしかできない。恋人であれ、友人であれ、人との関係も、私が何とかできものではない」
シンガーソングライターのイ・パダは、最近行われたインタビューで「通り過ぎる風のように過ぎ去った縁もつかめないのでは」とし、「十分に痛みをかみしめ、過ぎ去ったことをそのまま通り過ぎるように放っておくのが最も良い方法」だと述べた。
アニメのOST「Let It Go」を連想させる“離別論”だ。この話が出たのは、先月リリースされた彼女のシングル「Lucid Dream」が、胸の痛む別れをテーマにした楽曲であるためだ。
「Lucid Dream」は夢幻的なギターサウンドとピアノの旋律の上にイ・パダの切ないボーカルを乗せたミディアムテンポのバラード曲だ。これまでR&Bジャンルのナンバーを主に披露してきたイ・パダにとっては、久しぶりのバラード曲となる。
イ・パダは「同じ歌を聴いても人それぞれ違う感情を持つ」とし、「この楽曲を書きながら人それぞれ、愛する存在は違うので、リスナーの感じるポイントが違えばいいなと思った」と述べた。
それとともに「互いに異なるその感情を増幅させるBGM(バックグラウンドミュージック、背景音楽)のように、この楽曲が人の感情を代弁してくれたらという趣旨からタイトルをこれに決めた」と説明した。「Lucid Dream」の韓国語原題:は「背景音楽」。
この楽曲は、彼女が昨年EMAに所属事務所を移してから、初めて披露するシングルでもある。また、サウンド面でも、自身の声をよりソフトに、まるで楽器のように幾重にも重なるように聴こえる試みをしたという。
胸の痛む別れをテーマにした楽曲であるため、作業課程では心を揺さぶられることはなかったのかと尋ねると、首を振りながら「むしろその反対」だと答えた。
彼女は「別れという感情を払いのける楽曲だったので、心理的に励ましとなった」とし、「よどんだ感情を解消する感じがして、歌を歌うことが活力となった」と振り返った。
シングルにはタイトル曲「Lucid Dream」の他にワルツ風の楽曲「Windy」も収録された。「Windy」は“あなたは時間のように過ぎ去っていく”、“風のようにつかめない”などという歌詞で始まり、サビでいくら手を広げてもつかめない“あなた”を“スルリ”という歌詞で繰り返し表現するのが印象的だ。
イ・パダは「楽器をたくさん使用せず、ミニマムの構造を強調した曲」とし、「吹く風がまるで余白のようだと思い作った曲」だと説明した。
“スルリ”と通り過ぎる風のように、過ぎ去った縁も簡単に手放すことができればよいが、いざ自分は作曲意図とは違い、そうはできない性格だという。
イ・パダは「人間関係を簡単に打ち明けられないほう」だとし、「私がこうすべきだったのかな」というふうに、しきりに考えてしまう性格」だと述べた。
2015年にデビューしたイ・パダは、いつの間にか7年目の歌手となった。新人時代から夢幻的で独特な声色で注目されたが、一時は自身の音楽世界より声色にだけ集中する視線が苦手だったりもした。
イ・パダは「(そうした視線が)うれしくない瞬間も確かにあった」とし、「そんな話を聞くほどに、“もっと練習をたくさんしなければならない”、“様々なジャンルをやってみなければならない”と思った」と述べた。
他のミュージシャンたちと同様に彼女も、この2年間は新型コロナウイルス感染症で大変な時間を過ごした。シンガーソングライターとして、自身の音楽で大衆と心通わせる公演がなくなり、家にいる時間が多くなった。つらい時間、彼女を励ましたのは映画だったそうだ。
映画の話が出ると『冷静と情熱のあいだ』、『渇き。』、『エターナル・サンシャイン』など有名な作品のタイトルが次々と飛び出した。
イ・パダは「『エターナル・サンシャイン』をまた観たのだが、観るたびに涙があふれ出てくる」とし、「実は今回の『Lucid Dream』のMVでもこの映画をオマージュしたような部分がある」と明かした。
これまで心が安らかになる洗練されたR&Bを披露してきた彼女だが、2020年にリリースしたドラマOST「DREAMS」のような楽曲を見ると、ロックのようなバンドミュージックもとても合うような気がした。
「音楽的な領域を広げたいか」という問いにイ・パダは、「とってもやってみたい。期待してほしい。ロックはもともと好きなのでいつかは必ずロックアルバムを出してみたい」と意欲を見せた。
