映画『愛の考古学』主演オク·ジャヨン、「ガスライティングされるキャラクターに腹が立ったが希望も見える」
2022年05月02日

映画『愛の考古学(原題:사랑의 고고학)』の主人公ヨンシル(オク·ジャヨン)は一言で定義しがたいキャラクターだ。
他人の顔色をうかがって、損をしながらも、ある時は自己主張が強い。 誰かが腹を立てると「私のせいじゃないよね?」と確認するほど周りを気にするが、自分が休みたい時は、講師の提案も未練なく断るタイプ。
28日に開幕した「第23回全州(チョンジュ)国際映画祭」で韓国コンペティション部門に進出したこの作品は、ヨンシルが長引いた恋人との別れを終え、成長する過程を描いた。「生(原題:생)」(2009)、「蚕を飼っていた部屋(原題:누에 치던 방)」(2016)などを披露したイ・ワンミン監督が演出した。
最近、全州・映画通りのカフェで会ったオク・ジャヨンは、「ヨンシルはあれこれやってみて、中心を取りながら自分だけのやり方を探していく人」とし、「もどかしくて、ため息がでるかもしれないが、社会が定型化した通りに生きない姿が、むしろ希望を与えるかもしれないと思う」と述べた。
ヨンシルのこのような性格は、恋愛にもよく表れている。出会って8時間しか経っていない年上の男性インシク(キユン)に惚れ、すぐ交際を始める。しかし、恋人になった後、絶えずガスライティング(心理的虐待)をするインシクのため自分をあらため、別れた後も関係を断つことができない。
オク・ジャヨンは「演技をしながらもストレスが溜まった。ある時は怒りが込み上げたが、劇中で表現することもできない。監督に『演技するのが大変。ヨンシルも何か言うべきではないか?』とも言ったことがある(笑)」と述べた。
彼女は、ヨンシルのように自分も「むやみに恋に落ちたことがある」とし、「できれば関係を先に断ち切りたくないという点もヨンシルと似ている」と述べた。
イ監督は、ヨンシル役を演じる俳優を探していたところ、オク・ジャヨンが物思いにふけって静かに座っている姿を見てキャスティングすることを決めたという。
オク・ジャヨンは「撮影に入ってから監督が、『ヨンシルがますます生命力を失い消えていく過程が見えたらいいと思う』と注文した」と述べた。
ヨンシルとインシクが曖昧な関係を続けて8年、ヨンシルはついに「私の8年を返して!」と叫びながら長引いていた別れを締めくくる。恐怖に打ち勝ち、他の人に目を向け、新しい恋を始めたりもする。
オク・ジャヨンは考古学者というヨンシルの職業にも興味を感じたとし、「映画人たちと似た面がある」と述べた。
特に、ヨンシルが学生たちに考古学者について説明しながら、『貧しく生きなければならないが、好きなことができ、自分と似たような関心事を持った人と過ごせる』と話す場面に共感したという。
彼女も25歳の頃、大学路(テハンノ)で演劇を始めて以来、映画の端役をしながらこのような過程を経た。
オク・ジャヨンは「『無名時代が大変ではなかったか?』という質問をよく受けるが、私はあまり大変ではなかった。演劇をする人が皆、貧乏なので、私たち同士で比較することもなく、舞台で演劇をするのがとても楽しかったから。ヨンシルがお金のことを考えずに好きなことをするように」と述べた。
そして彼女はドラマ作品をきっかけに大衆に“俳優オク·ジャヨン”を印象付けた。その後、母性愛あふれる演技を披露し、最近はスポーツバラエティ番組で活躍している。演技を始めてちょうど10年目。大器晩成だ。
彼女は「運が本当に良かったと思う。ドラマにキャスティングされたのも、その役が愛されたことも。いくらたくさん出演してもドラマがうまくいかなければ、俳優も世には出ない。しかし、次の作品も同様に愛された。私はただ何も知らずに一生懸命やっただけ」だと明かした。
彼女は人気を得た今も「2年に1本ぐらいは独立映画に出演したい」とし、「演劇も手放さず続けたい」と話した。独立映画と演劇は他のメディアよりキャラクターにもっと没頭し共感できると考えているからだ。
オク・ジャヨンはどんな俳優になりたいかという質問にしばらく悩んだ末、「演技をうまくしたい…」と笑った。
そして「“一緒に”演じる俳優になりたい。同僚の俳優と一緒に呼吸して、観客や視聴者にとっても慰めであれ応援であれ、それをしてあげられるそんな人。俳優として最もやりがいがあると感じる時は、人々が理解しにくいキャラクターを、作品を通じて理解させる時だったから。良い感情を他の人と共有すること、それが良い俳優ではないだろうか」と残した。
