映画『ベイビー・ブローカー』の主演俳優ソン・ガンホ、「冷静な視線で世の中を見つめる映画」

2022年05月11日

「是枝監督の作品を見ていると、冷たい話で始まり温かなヒューマニズムで終わると思うだろう。しかし、今回は温かさから始まり、冷たく冷静な視線で社会と世の中を見つめるように映画の世界が繰り広げられている」
俳優ソン・ガンホは、映画『ベイビー・ブローカー』が是枝裕和監督のこれまでの家族映画と少し異なる流れで展開されると述べた。彼は10日午前、CGV龍山(ヨンサン)で開かれた『ベイビー・ブローカー』の制作報告会で、「ずっと前から是枝監督のファンだったので、出演のオファーが来て光栄だった」と述べた。
『ベイビー・ブローカー』は、ベイビー・ボックス(赤ちゃんポスト)を巡り、関係を結ぶことになった人々の予期せぬ特別な旅程を描いた映画だ。ソン・ガンホは、クリーニング店を運営しながら、いつも借金に苦しむ“サンヒョン”役を演じた。ベイビー・ボックスに置かれた赤ちゃんをこっそり連れてきて新しい両親に渡そうとする。悪ではあるが、詰めが甘く人間的な姿を持ったブローカーだ。
是枝監督は、シナリオを書いている時点でサンヒョン役にはソン・ガンホを考えていたと述べた。オンラインで韓国のメディアインタビューに応じた是枝監督は、「ソン・ガンホは善と悪が微妙に交差する人物像を作り出す」とし、「単色ではなく、多彩な色を帯びた人物を表現する卓越した俳優だと常に考えてきた」と述べた。
また別のブローカー“ドンス”役を俳優のカン・ドンウォンが務めた。養護施設で育ち、置き去りにされたつらさを誰よりよく知るドンスは、赤ちゃんの新しい両親を見つけるのに一種の使命感を持つ。カン・ドンウォンは「養護施設に足を運び、対話を交わしながら心を込めようとした」とし、「その方々の痛みを込めてみようという思いで演じた」と述べた。
ソン・ガンホとカン・ドンウォンは映画『義兄弟 SECRET REUNION』以来、12年ぶりに共演した。ソン・ガンホは「末っこの弟に会った感じだった」とし、「12年前には青年のエネルギーがあったが、今は円熟した深みや配慮、共感がある。カン・ドンウォンという俳優の成長を感じられる作業だった」と伝えた。カン・ドンウォンも「12年前よりはるかに息がよく合う感じだった」とし、「僕もとても成長したし、対話もうまくできたようだ」と述べた。
ブローカーを追う刑事“スジン”役は『空気人形』で是枝監督とタッグを組んだ女優ペ・ドゥナが務めた。赤ちゃんの母親“ソヨン”はイ・ジウン(歌手のIU)が、スジンの後輩“イ刑事”は女優のイ・ジュヨンが演じる。
是枝監督は「コロナ禍で韓国ドラマにハマった。イ・ジウン主演のドラマを見てファンになった。そのドラマの後半ではイ・ジウンが出てくるだけで泣いた」とし、「この役にはこの方しかいないという気持ちで出演オファーをした」と述べた。
『ベイビー・ブローカー』は今月17日(現地時間)に開幕するフランス・カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に招待された。ソン・ガンホがカンヌを訪れるのは7度目、是枝監督は8度目で、常連メンバーだ。ソン・ガンホは2019年に『パラサイト 半地下の家族』で、是枝監督は2018年の『万引き家族』でそれぞれパルムドール賞を獲得した。
カン・ドンウォンは、ヨン・サンホ監督の映画『新感染半島 ファイナル・ステージ』で2020年に招待されたが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによりイベントが事実上中止になったため、カンヌに行けなかった。イ・ジウンは初めてカンヌ映画祭のレッドカーペットを踏む。
イ・ジウンは「生きていてこんな日がまたあるのかという気持ち」とし、「一生懸命学び、楽しんでくる」と感想を明かした。是枝監督は「カンヌ映画祭は何度行っても緊張する場所」とし、「今回の映画としては最高のワールドプレミアの場所になるのではないかと思う」と述べた。

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