歌手イ・スヨン、10thアルバム『SORY』で13年ぶりにカムバック…「歌は幸せ、積立貯金をしながら踏ん張った」
2022年05月18日

「歌は、私にとって“幸せ”だった。初めてレコーディング室で喉をほぐした時は、全身に血が回る感じがした」
歌手イ・スヨンの歌を思い浮かべると思い出がこみ上げる。1990年代後半、あるいは2000年代序盤を生きてきた多くの人々が、彼女の声を聴いて心を慰め、励まされた。
独特の唱法と叙情的な感性で「Whistling」、「la la la」、「I Believe」、「Goodbye As I pass you by」など、リリースする楽曲を次々とヒットさせたイ・スヨンは、その時代の“バラードの女王”だった。
イ・スヨンがもう一度、切ない楽曲で大衆の前に立った。実に13年ぶりにリリースするフルアルバムだ。
イ・スヨンは17日、ソウル・麻浦(マポ)区のクルムアレ小劇場で開かれた10thアルバム『SORY』の発売記念記者懇談会で、「関心を持ってくださっただけでも感謝する。本当に再デビューする感じ」だとカムバックへの感想を明かした。
彼女は「デビュー後10年間で、計9枚のフルアルバムを出した。本当に走るままに走ってきた私だったが、9thアルバム以降に結婚し、時間が過ぎた。このように13年という空白ができるとは私も思わなかった」と打ち明けた。
久しぶりにリリースした今回のアルバムはイ・スヨンが伝えたかった話を盛り込んだ。
9thアルバム『Dazzle』後、13年という空白期の間に彼女が感じた“申し訳ない(sorry)”という気持ちを丸ごと声に込め、率直に解き明かした。すべての曲が完成するまで3年かかったという。
彼女は「以前のアルバムでは、歌を上手に歌うことに集中していたようだ。しかし今度は、完全に私の声がどうだったのかを見つけていく道のりだった。私だけでなく私たちの声を盛り込まなければならないと思った」と述べた。
デジタルシングルやミニアルバムなど音楽リリースのスパンが短くなった最近、フルアルバムをリリースするのにプレッシャーはなかったのだろうか。
イ・スヨンは「13年間、歌手を辞めようと考えなかったわけではない。でもチャンスというものがいつもあるわけではなかった。ただの一度も、アルバムの作業をするために努力しなかったことはなく、最善を尽くしたがうまくいかなかった」と明かした。
彼女は「5年前、今の会社に出会ったが、その日から私が稼ぐお金の一部分を差し引いて積立てをしていた。この5年間、着実に積立貯金をしながら踏ん張り、3年前から準備を始めた」と述べた。
それとともに彼女は「今回のアルバム制作のため、積立金3口をくずした」と笑ったりもした。
タイトル曲「Uranus」はイ・スヨンにぴったりの楽曲だ。
太陽のように特別な存在から愛されたいが、遠く離れていてほんの一瞬しか触れられない切なさを天王星にたとえたこの楽曲は、イ・スヨン固有のジャンルである“オリエンタル・バラード”の雰囲気がにじみ出ている。
イ・スヨンは楽曲を書いたシンガーソングライターのアン・イェウンとの作業を「相性ぴったりで楽しかった」と振り返りながら、「私が得意とする声をベースに、同僚歌手たちや後輩たちを信じてここまで来た。楽しんでやっていたら10thアルバムが完成した」と述べた。
この他に過ぎた日を忘れたいが、手放したくない気持ちもある二面性を舌にできる口内炎にたとえた「Sore」、自ら独りぼっちを気取る人々に本質的な愛を語る「Close the door」などもアルバムに収録された。
後輩歌手のイ・ジナやMeloManceのチョン・ドンファンらも“バラードの先輩”の帰還作業をサポートした。
2曲を作詞した作詞家のキム・イナは「誰しも20代の時に一度は悲しい別れを経験したことがあるだろう。イ・スヨンはそんな皆の“声”だった」とし、「今は別れだけでなく、人生全般に対する歌を聴かせてほしい」というメッセージを伝えた。
イ・スヨンは、今回のアルバムは彼女を信じてくれるファンと同僚のおかげで可能だったと述べた。
彼女は「この13年間、ファンが『10代の時から待っていたがもう30歳になった』、『軍隊にいた時から待っていたが、いつの間にか父親になった』と言っていた。実際にこの目で確認できるCD音盤を出すことができるだけでもありがたい」と延べた。
久しぶりにステージに立ったイ・スヨンは胸いっぱいの感情を隠せなかった。
所属事務所との葛藤、結婚や出産などを経て過ごした時間を思い出したのだろうか。彼女は同日の懇談会のはじめのあいさつで「うれしいです(반갑습니다)」という5文字を発した後、しばらく言葉を続けることができなかった。
イ・スヨンが「最初から涙が出る。更年期みたい」と冗談を飛ばすと、懇談会の司会を務めた友人のパク・キョンリムは彼女の肩を軽くたたきながら「うれしい日」だと言い、雰囲気を盛り上げた。
イ・スヨンは「以前は、アルバムを出すだけでも予約注文は10万枚を突破していたのに、CDをこんなに買わないとは思わなかった。今回、1千枚だけ作ったが不安だ。“ストリーミング総攻撃”を一度だけお願いします(笑)」と呼びかけた。
