苦難を乗り越え新たなスタートをきったキム・ヒョンソン…「“幼い鳥”のように基礎から練習」

2022年05月19日

「早くファンに会い、もう一度いい歌をお届けしたくて、このうえなく退屈な基礎呼吸から毎日3~4時間ずつ練習している。他の誰よりも私の本に登場する“幼い鳥”のような気持ちだ」
最近、エッセイ本「幼い鳥 (原題:어린 새)」を出版したキム・ヒョンソンが18日、インタビューに応じた。
彼は、「世の中に残すことができる歌がまだありそうで、頑張って準備している」とし「“運命”という言葉はあまりにも大げさだが、それでも歌手の道は私にとって運命」だと述べた。
1997年、作曲家キム・ヒョンソクにスカウトされデビューした彼は、軽々と歌いあげる高音を武器に「Wish」や「Heaven」などをリリース。1990年代後半から2000年代序盤に人気を博した。特に、代表曲の「Heaven」は、3オクターブを上下する「最高難度」の楽曲として、20年が過ぎた今も広く知られている。
しかし、このような「高難度」のヒット曲は、彼の喉の負担となった。結局、声帯結節ができ、しばらく歌を休まなければならなくなった。以前のように歌を出せなくなると、彼はマイクの代わりにペンを取り、物語を書き下ろした。
「とてもつらくて、2~3年間は歌謡曲を聴かなかったし、口ずさみもしなかった。心の傷を忘れようと、書くことに邁進した。歌手という人生の“脚”を燃やし、新しい仕事に力を注いだ」
この時期が物語の枠組みとなっている「幼い鳥」には、彼がぶつかった状況とは相反する「自分を信じて勇気を出すことが、世の外へ出る力になる」というメッセージが込められている。
本は「“恐怖”という痛みが消え、幼い鳥は誰よりも輝かしく空を飛んだ」という「ハッピーエンド」で締めくくられる。
キム・ヒョンソンは「未熟なのに、早く空を飛びたがる幼い鳥のように、当時は、いい文だと認められたいという焦りがあった」とし、「“早く成功したい”、“もう一度世の中に認められたい”という気持ちが似ていて、自分自身を幼い鳥に例えた」と説明した。
彼は昨年、テレビ番組を通して、ある出版社代表と出会い、それがきっかけでエッセイ本出版のオファーを受けた。昨秋から本格的な準備に入り、この本を出すに至った。
本を書いている中、人生のもう一つのターニングポイントが到来。まさに音楽バラエティへの出演だった。
生業のため、一般企業で会社員として働いていた彼は、この番組で自身のヒット曲「Heaven」を原曲より数オクターブ下げて歌った。しかし、以前と同じコンディションとはいかず、1ラウンドで脱落。
人々の目には「脱落者」として映ったが、この経験は彼が再びマイクをつかむ決定的なきっかけになったという。
キム・ヒョンソンは「会社のミーティング、(本の) 原稿の修正をやりながら、合間を縫って音楽バラエティの練習をした」とし「毎日残業をし、歌の練習までしたのでやせた。それでも、人生最後のチャンスだという思いで舞台に立った」と話した。
それと共に「舞台では緊張感と重圧感のため、早めに声がかれてしまった。曲の後半に入ってからは、自分でも声の調子がよくないと感じた」とし「うまくやれても、やれなくても、できることはやったと思ったので、全てを下ろした」と振り返った。
しかし、審査員らは彼を脱落させたとはいえ、「今まで見た中で最も美しい舞台だった」と賞賛を惜しまなかった。大先輩歌手イ・ソニは「私が止めなければ、失敗ではないということ」と彼を慰めた。
キム・ヒョンソンは「私を応援する声が上がっていて、とてもびっくりした」とし「燃やしてしまった (歌手という) 脚を再びつなげなければならないと思った。十数年間、私の心の中にあった“しこり”が取れた」と当時の心情を振り返った。
彼は、音楽バラエティ収録の次の週に、声帯結節と診断され、プロとして再び舞台に立つには、少なくとも6カ月から1年は基礎練習からしなければならないと言われた。ちょうど作曲家チョ・ヨンスから“もう一度歌手をやってみないか”との提案を受けた時だった。2カ月ほど悩んだ末、専属契約書にサインした。
「実は、音楽バラエティの出演も、“声帯結節で、活動を終えた歌手”として記憶されているのがあまりにも悔しくて、歌手としての名誉を取り戻したいくらいの気持ちで決めたものだった。ところが、あまりにも多くの応援があり、心の傷が癒えた」
彼は「チョ・ヨンス作曲家が、“一緒にやろう”と言うのに、そのチャンスを逃すわけにはいかないと思った」とし「“応援にお応えできる歌を作らなければならない”、“歌を作ることに集中しなければならない”と決心した」と語った。
本の中で、“幼い鳥”は問題を解決し、飛ぶための鍵で勇気を得る。キム・ヒョンソンが現実でスランプを経験し、再び舞台に上がろうと決心したのと、軌を一にする。
彼は「多くの問題の解決は、自信を取り戻し、自分自身を信じることから始まる」とし「最近、韓国では失敗すると周りから冷たい視線を向けられ、ダメージが二重、三重にもなる。しかし、これに振り回されず、行こうとする道を黙々と行けば、いい結果が得られるだろう」と力を込めて言った。
「今年の秋を目標に新曲を準備している。多くの方が歌いやすいバラードだ。私が若い時に歌っていたような難しい歌ではない(笑)」

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