パク・チャヌク監督の新作『別れる決心』、興行不振も“N次観覧”は今年の韓国映画1位を記録
2022年07月11日

パク・チャヌク監督が6年ぶりに披露した新作映画『別れる決心(原題:헤어질 결심)』が、予想外の不振となっている。しかし、映画マニア層を中心に、 “N次観覧”(2回以上鑑賞すること)をする人が多く、長期上映を狙う雰囲気だ。
映画振興委員会の映画館入場券・統合ネットワークによると、『別れる決心』は先月29日の公開から、7日までの9日間で、累積観客数約68万人を動員した。公開初日には約11万4000人だった一日の観客数は7日、約3万3000人まで落ちた。
映画『オールド・ボーイ』(326万人)や『お嬢さん』(428万人)、『親切なクムジャさん』(365万人)、『渇き』(223万人)など、パク監督の前作に比べると、期待に及ばない成績と言える。
『別れる決心』でパク監督は、トレードマークだった刺激的描写を自制。人物たちの心理で物語を導いていく新しい作法を選んだ。そのためR15指定となった同作は、カンヌ映画祭で好評を博し、監督賞まで受賞。正式に公開されればヒット間違いなしとの見方が多かった。
パク監督は5月末、カンヌ映画祭のトロフィーを抱いて韓国に帰国し、「(観客が)芸術映画を作る人に限られるのではないかと少し心配になる。私が作る映画はいつも、大衆のための商業映画だ」と述べていた。
このパク監督の懸念は、現実になりつつある。暴力やベッドシーンがあった前作とは異なり、穏やかな雰囲気の作品であるうえ、「不倫を美化している」という極端なレビューまで出てきて、観客を集めることに失敗した。
しかし、映画マニアの間でN次観覧ブームが起こっており、夏の大作が公開される今月末までは、少しずつ成績を伸ばしていくのではないかとの展望もある。
CGVデータ戦略チームの分析によると、今年公開され、1週目に観客数50万人を突破した韓国映画5本の中で、2回以上観覧した比率が最も高かったのは、3.3%で『別れる決心』だった。同作より先に公開された是枝裕和監督の『ベイビー・ブローカー』(2.4%)や公開から8週目に入った『犯罪都市2(原題:범죄도시 2)』(2.6%)よりも高い数値だ。
現在、劇場界では『ソー:ラブ&サンダー』や『トップガン マーヴェリック』などハリウッドブロックバスター2本が観客を集めており、『別れる決心』と観客層が大きく違わない『宇宙+人 1部(原題:외계+인 1부)』が公開される今月20日までは、目玉となる韓国映画も特にない。
『別れる決心』を配給するCJ ENMの関係者は、「まだ公開されてから2週間も経っていないが、N次観覧の観客は増え続けると見られる」とし、「映画マニアの口コミが、長期ヒットの足掛かりとなり得る」と期待した。
