女優ムン・グニョン、初演出作が映画祭で公開…「スクリーンで上映されるだけでもありがたい」

2022年07月12日

「最初は演技をしたくて始めたが、事がものすごく大きくなった。皆さんが楽しんで見てくださり、このように劇場の大きな画面で見られるということだけでも、ドキドキするし、感謝している」
女優のムン・グニョンが映画監督としてデビューした。10日午後、「第26回富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭」が開かれる、京畿道(キョンギド)富川市のある映画館で、彼女が演出した短編3本が初めて上映された。ムン・グニョンは上映後、観客たちとのティーチインの場で、「不安で怖い」としながらも、「観客の方々に感謝申し上げる」と述べた。
演技生活24年目のムン・グニョンが、映画監督に乗り出したのは、知人たちと創作集団「Bachi(バチ)」を結成してからだ。ムン・グニョンは「何か決意を持って始めたわけではない」とし、「監督としてスポットライトを浴びることも少し負担だ」と述べた。
同日上映された演出作は『深淵(Abyss、原題:심연)』と『在進行形(The Stage、原題:현재진행형)』、『夢に来て(Be In My Dream、原題:꿈에 와줘)』の3作品で、上映時間は9分から15分の短編だ。いずれもセリフがなく、俳優の表情や動き、音楽、照明で人物の感情を表現している。
水中で撮影された『深淵』では、ムン・グニョンが、唯一の登場人物“女”を自ら演じた。女は、いくら泳いでも水中から抜け出せない。水面に出られると思って手を伸ばしても、また水中に戻っている。
モノクロに近いトーンで撮影された『現在進行形』は、舞台から抜け出したくても、結局は舞台に戻るしかない一人の俳優を描いた。『夢に来て』は、恋人同士の感情を、現代舞踊に近いパフォーマンスで描写している。
ムン・グニョンは「最初の作品の撮影が、水中だったため、自然とセリフがなくなった。そのため、その後の作品もセリフがなくなった」とし、「表情と動きで伝えることに集中してみようと思った」と述べた。
さらに「20代から40代までのメンバーで作った作品なので、その年代が持つであろう悩みや思いを盛り込んだ。みんなで一緒に悩みながら一生懸命生きてみようと励ます結末を考えた」と付け加えた。
3作品には混乱と挫折、喪失感と懐かしさのような感情が交差する。ムン・グニョンは特に、光の表現を重要な要素として使用したと説明した。
彼女は「暗くて息苦しく、抜け出したい状況において、光を希望のような存在として表現することがあると思う。自分が一生懸命、生きていれば、光も闇も実は大して重要ではないかもしれないというメッセージを投げかけたかった。俳優が感じる圧迫感を表現したりもした」と述べた。
ムン・グニョンは、「演技と異なり演出は、一人でスピーディーに判断しなければならなかった」とし、「監督は本当に寂しい作業だと感じたが、自由でもあった」と語った。
彼女は「スクリーンで見たら、欠点が見えた」とし、「演技で、まもなく皆さんに会いに行く」と明かした。
ムン・グニョン主演の『ガラスの庭園』(2017)を演出したシン・スウォン監督は、「こんな才能をこれまで隠していたとは驚きだ。俳優の顔と体だけで表現する演出が印象的」だとし、「25秒の水中シーンを見て、ムン・グニョン俳優はとてもストイックだと思った」と感想を伝えた。

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