チョン・ウンインら出演の映画『子どものための子ども』、危機に直面した子どもたちの成長期を描く

2022年07月13日

児童養護施設の退所まで1カ月となったところに、父親が現れた。
突然“ドユン”(ヒョン・ウソク)を訪ねてきた父親“スンウォン”(チョン・ウンイン)は、再び一緒に暮らすことを提案する。ドユンはスンウォンの一方的で唐突な態度が気に入らない。
父親が訪ねてくるまで、ドユンはオーストラリアに行くための準備をしてきた。韓国では、ただアルバイトをするだけでも、“高卒”だとか“孤児”だとかいうレッテルが張られるケースが多い。しかし、オーストラリアでは“韓国人”というアイデンティティ、それだけで生きていけるからだ。
しかし、友人に騙され、オーストラリア行きは水の泡に。ドユンは紆余曲折の末、スンウォンの家で暮らすことになる。依然として、全てのことがぎこちないドユンは、スンウォンを「おやじ」ではなく「おじさん」と呼ぶ。突然できた弟の“ジェミン”(パク・サンフン)に対しても親しみを抱けない。
しかし、スンウォンが自分のために用意してくれる簡素な食事や、英語を教えてくれるジェミン、リビングに並んで座りテレビを見る時間など、さまざまなことが積み重なりながら、ドユンは家族が持つ温かさを実感し始める。一緒に出掛けた旅行で、心を開いたドユンは、「とにかく弟で、とにかくおやじ」だと言い、スンウォンとジェミンを初めて家族として受け入れる。
映画『子どものための子ども(原題:아이를 위한 아이)』は、児童養護施設で生活していたドユンが、突然現れた父親と腹違いの弟に出会い、繰り広げられる物語を描く。
映画は一見、ドユンが再会した家族を通じて傷を癒やしていく過程に集中しているかのように見える。しかしドユンは、スンウォンが持病でこの世を去ったことにより、新たな局面に立つ。家族の中で自分の存在は、一人残された弟の保護者、それ以上でも以下でもなかったという事実に気付きながらだ。
そのような面で映画のタイトル『子どものための子ども』は、ドユンの境遇を盛り込んでいると見ることができる。しかし、映画を最後まで見てみると、このタイトルはドユンとジェミンの両方に該当する言葉だということが分かる。
2人残された子どもたちが、大人によってもたらされた危機に、正面からぶつかり成長していく姿は、観客にずっしりと重い響きを残す。
演出を務めたイ・スンファン監督は12日、試写会に続いて開かれた記者懇談会で、「私たちは今まで既成世代(現在の社会を導いた上の世代)が作った選択肢の中だけから選び生きていたのではないかと思った。ひたすら自分だけの道を悩み開拓し、絶えず努力する姿勢をどれだけ取っていたのだろうかと考えながら作った」と述べた。
さらに「映画のキーワードだけ見ると、多少重く感じられるかもしれないが、登場人物を暗く、つらいだけの自分物として見せたくなかった」としながら、「もう少し気楽な気持ちで、子どもたちを応援しながらご覧になってほしい」という願いを伝えた。
映画『子どものための子ども』は、韓国で21日に公開される。上映時間は95分、年齢制限は12歳以上観覧可だ。

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