映画『非常宣言』出演のソン・ガンホ、「災難を乗り越えていく人々を描いた映画」
2022年07月28日

来月3日に公開される映画『非常宣言 (原題:비상선언)』に登場するベテラン刑事“インホ”は、2007年作の映画『優雅な世界』に登場するヤクザの“イング”に似ている。2人とも、ソン・ガンホが演じた役だが、インホとイングは、組織と家族の間でバランスを取ろうと努力する点で共通している。表現はつたなくても、妻と娘を大切にする人物だ。
ソン・ガンホは『優雅な世界』で、初めてハン・ジェリム監督と作業し、映画『観相師-かんそうし-』(2013)に続いて、今作で3度目のタッグを組んだ。
27日、オンラインで会ったソン・ガンホは「監督を知っているということが、今回、演技するうえで大きな力となった」とし「ハン・ジェリム監督が追求するものをよく知っていたので、大変さはなかった」と話した。
『非常宣言』のインホは、生物・化学テロに遭遇した航空機の乗客の安全を守るため、国土部長官の“スクヒ” (チョン・ドヨン)、大統領府の危機管理センター室長の“テス” (パク・ヘジュン)らと、地上で孤軍奮闘する。休暇でハワイに旅立った妻が飛行機に乗っているため、インホにとってはいっそう切迫した状況だ。
「助けたいのに、できることに限界がある地上の人々のジレンマに、重きを置いた。悲しみや、感情的な部分だけを表現してはならず、あまりに理性的で冷静に表現してもダメ。どうやって適切に表現するのかが重要だった」
映画は、生物・化学テロという素材を通して新型コロナウイルスのパンデミックを経験してきた韓国社会を投影する。しかし、ハン・ジェリム監督は、10年以上前から航空災難映画を構想しており、本格作業に入ったのもパンデミック以前だった。映画は昨年、フランスのカンヌ国際映画祭で上映され、「時宜適切だ」という評価を受けた。
ソン・ガンホは「初めて準備に取り掛かった時は、コロナという単語自体がなかった。それでも興味深かった」とし、災難を対処する共同体を重点的に見てほしいと訴えた。
「生きていると、大小なりとも、何かしらの災難に遭う可能性がある。問題をどのように受け入れ、解決するかが重要だと思う。そういった点で、この映画は、他の災難映画とは異なる。災難を乗り越えていく多くの人々の物語を、シンプルに描いているという印象を、最初に受けた。共同体や隣人に対する思い、知ってはいるが、実感したことはなかった人生の価値を、今回の作品を通して感じていただけたら、それ以上の喜びはない」
映画は、実際の飛行機を使って作ったセットを360度回転させて撮影し、機内の様子をリアルに表現した。しかし、ソン・ガンホは地上で事件を解決する役だったため、機内の撮影には参加できなかった。
「最初は、飛行機に乗りたいという思いがあって、(“ジェヒョク”を演じた)イ・ビョンホンに“飛行機のセットでずっと演技していて、うらやましい”と言った。しかし、セットを一度見たら、恐ろしくなった。追撃シーンの撮影をしたり、雨に打たれたりと、大変そうだった。地上にいることが、どれほど幸せなことなのかを感じた」
今年5月に映画『ベイビー・ブローカー』で、カンヌ国際映画祭の最優秀男優賞のトロフィーを手にしたソン・ガンホは、映画『シークレット・サンシャイン』(2007)で同じ映画祭の主演女優賞を受賞したチョン・ドヨンと今作で再会した。また、ソン・ガンホが弁護士“ウソク”役を務めた映画『弁護人』(2013)には、今作で強烈なテロリスト役を担ったイム・シワンが出演している。
「チョン・ドヨンとイ・ビョンホンとは、20年以上苦楽を共にしてきた仲だ。飛行機と地上に分かれたため、毎回一緒に撮影はできなかったが、とても嬉しくて息もピッタリだった」とし、イム・シワンについては「映画『犯罪都市』にソン・ソックがいるなら、『非常宣言』にはイム・シワンがいる」と語った。
