映画『非常宣言』のハン・ジェリム監督、「あまりにも現実と相接する話になり、悔しい」

2022年08月04日

「(コロナは) 人類にとっての災難だった。あまりにも現実と相接する話になり、個人的には悔しい。次は本当にありえない話をやりたい」
新作映画『非常宣言 (原題:비상선언)』の公開日となった3日、オンラインで会ったハン監督は、このように語った。
『非常宣言』で、航空機テロの手段として使われた生物兵器と、これに接した人々の態度は、この3年間で起こったコロナのパンデミックの状況と重なる。ハン監督は、10年前から準備していた映画だということを強調した。
『非常宣言』は、コロナの恐怖が極限に達した2020年5月~10月に撮影された。
ハン監督は、「映画と似た出来事が起きている現実を目の当たりにし、心が痛んだ」、「しかし、映画で描こうとしていた事柄のように、(現実も)災難の状況をうまく乗り越えているように見え、胸をなでおろしたりもした」と話した。
ハン監督は、『非常宣言』をテロ映画ではなく災難映画だと定義した。テロの具体的な様相や解決方法ではなく、人々の対処方法に重きを置いたからだ。機内でウイルスが広がり、乗客が死んでいく姿より、被害を最小限に抑え、航空機を安全に着陸させようとする人々の努力にフォーカスを当てた。
そのため、イム・シワンが担った“ジンソク”は、テロリストというより、災難を象徴する人物として描かれた。
ハン監督は、「“ジンソクを犯罪者だと思ったり、力んだりせず、普段どおり演じてほしい。そうすれば様々な状況が (キャラクターを)作り出してくれる”と (イム・シワンに)オーダーした」と明かした。
ハン監督は、「災難は津波のように、突然来ては消えていくが、その余波は続く」とし「災難後、残された人々が、どんな人生を歩んでいくかに集中した」と語った。
「災難は、私たちの心の中にあると思う。恐怖や憎しみ、利己心のようなものが、私の考える災難。災難を乗り越えるカギは、全ての人々の人間性や勇気、人間だけが持つことのできる連帯感にあると思う。ほんの少しの誠実さが集まれば、災難を乗り越えることができるのではないだろうか。このようなことを語りたかった」
ハン監督は「人間」、「人」という言葉を繰り返し使った。ベテラン刑事“インホ” (ソン・ガンホ)、国土部長官の“スクヒ” (チョン・ドヨン)、娘と一緒に飛行機に乗った“ジェヒョク” (イ・ビョンホン)など、ほとんどのキャラクターに、職業による役割ではなく、人間としての姿を投影したと話した。
「ジャンル的に、大げさに演じないでほしいと言った。“職業”ではなく、“人”が先立たなければいけなかったから。よく見かけるような、気楽に話せる人として存在してほしいとオーダーした」
ハン監督は、「人間が持っている恐れという感情を、どのように克服していくかについて投げかけている」とし「“映画を見て、心が温まり癒された”という声を聞きたい」と明かした。

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