バンド春夏秋冬のキム・ジョンジン、「捨てられたものの価値を伝えたい」

2022年10月20日

「作業のために“Bravo, My Life”のテープを再び聴いたら、20年前の初めてレコーディングしたその時代に戻ったかのような体験をした」
バンド春夏秋冬のキム・ジョンジンは、ソウル・麻浦(マポ)区で開かれた記者懇談会で「目を閉じると、その時代のチョン・テグァンとキム・ジョンジンがスタジオを歩いていた」とその体験を振り返った。
彼は今年3月に7thフルアルバム「Bravo, My Life」の発売20周年記念リマスターリングアルバムを発売。そして今月1日には、このアルバムのLPバージョンを公開した。
2002年に発売されたアルバム「Bravo, My Life」と同名のタイトル曲は、当時アジア通貨危機の影響を受けた韓国国民を慰め、人気を博した。
キム・ジョンジンは、「20年が過ぎた今の韓国は、コロナによって再び元気を失った」と肩を落とした。しかし、「(それでも) この音楽を聴いたファンが、今でも“十分に生きるだけの価値がある”とコメントしてくれるのを見ると、アーティストの道を選んでよかったと思う」と述べた。
キム・ジョンジンはLPレコードを出したことについて、「捨てられたものを再び取り出して修理し、私たちが楽しめる文化として提示してみたかった」と語った。
「春夏秋冬は、“持続可能性の守護者”として、残され、捨てられたものも十分価値があるということを伝え、人々が記憶する音楽を作るのに命をかけたバンドだった」
彼はデジタル音源では与えられないアナログの感動もLPレコードに盛り込んだという。
「少し劣る音質は、聴く人たちの想像力を加えるのにいい。そんな音楽を聴き、余裕のある世の中を追求する過程に、真の音楽の世界があると思う」
キム・ジョンジンは、今回のアルバムで一番好きな楽曲に「Goodbye With A Smile」を挙げた。
この楽曲は、作曲家兼音楽監督チョン・ジェイルがコントラバスを、キム・ジョンジンがクラシックギターと電子ギターを担い、この3つの楽器だけで構成した演奏曲だ。
キム・ジョンジンは、「3つの楽器をしっとりと演奏したので、全ての音が聴こえ、その雰囲気までも楽しむことができ、とてもよかった」と話した。
ボーカル兼ギターのキム・ジョンジンとドラマーのチョン・テグァンで構成された春夏秋冬は、1988年にアルバム「春夏秋冬 (原題:봄여름가을겨울)」でデビュー。収録曲10曲のうち3曲が演奏曲という当時としては異例のアルバム構成で話題となった。
特に1stトラック「People All Change」や、「ある人の夢 (原題:어떤 이의 꿈)」、「Bravo, My Life」は、韓国バンド史に一線を画した曲と評価されている。
2018年、チョン・テグァンが、がんの闘病の末、56歳という若さでこの世を去ると、その後、キム・ジョンジンは一人で故人の遺志を受け継いだ。
キム・ジョンジンは「舞台に上がってもまだ、チョン・テグァンが一緒にいると感じる」とし「それがまさに音楽の力ではないかと思う。音楽は去った人を呼び戻す力がある」とした。
彼は「人生が生きるに値するということこそ、全ての芸術の究極の内容であり、慰めである」というヘルマン・ヘッセの言葉を引用し、「歌手キム・ヒョンシクが病室で患者に歌を歌ったように、私も死ぬ瞬間まで音楽をしたい」と話した。

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