ホン・ソック監督の映画『流布者たち』…“デジタル犯罪”があなたを狙う

2022年11月16日

2020年、韓国社会はいわゆる「n番部屋事件」で大きな衝撃を受けた。不法に製作された性搾取物がオンラインメッセンジャーの“Telegram”のチャットルームで大量流布されていたことが明らかになったからだ。性搾取物製作・流布に加担した加害者の多くは10代後半から20代中盤。被害者は、未成年も少なくなかった。
身元が公開された加害者たちは、悪辣なデジタル性犯罪を行ったと思えないほど、周りでよく見る平凡な姿をしていた。金銭が主な目的ではあったが、経済的利益というより、面白半分で犯罪を行った場合もあり、衝撃はさらに大きかった。
被害者たちは家族、恋人、友人、職場を失ったのはもちろん、衝撃と恐怖により自ら命を絶つケースもあった。
映画『流布者たち(原題:유포자들)』は、n番部屋事件のようなデジタル性犯罪を素材にしている。携帯電話の普及により、自由ではなくなったこの頃、何気なく撮った動画が、どのように人間を破滅に向かわせるかを描いた犯罪追跡スリラー作品だ。
結婚を控えた教師“ト・ユビン”(パク・ソンフン)は、友人の“コン・サンボム”(ソン・ジウ)とクラブを訪れ、泥酔状態で気を失い、夜の間に記憶と共に携帯電話もなくす。
日常を取り戻したかのように見えたユビンだったが、ある日、見知らぬ番号からの電話がかかってくる。そして“お金を払わなければ、紛失した携帯電話の中に入っている動画を公開する”と脅迫される。恐れおびえるユビンは、友人のサンボムと共に犯人の追跡に乗り出す。
映画は脅迫を受け、日々疲弊していくユビンの姿に、デジタル犯罪の被害者が受けた苦痛を投影する。いつかかってくるのか分からない脅迫電話、これに応じない場合、動画が流布されかねないという恐怖は、被害者のすべてを奪っていく。
映画は、デジタル犯罪事件を再現するのに留まらない。予想できないどんでん返しを繰り返しながら、スリラーものの緊張を損なわない。
ドラマ「人生最高の贈り物~ようこそ、サムグァンハウスへ~」や「たった一人の私の味方」などを演出したKBSのプロデューサー、ホン・ソック監督のスクリーンデビュー作だ。
ホン監督は14日、マスコミ試写会後の記者懇談会で「怖くて、ドキドキしながら作品を見た」と感想を明かした。そして「携帯電話を持つ人なら誰もが経験しうる話だということに焦点を当てて作品を作った」と説明した。
彼は「デジタルという環境は、個人の可能性を無限に広げる面がある一方、個人を危険に陥れる可能性もあるという二面性がある」と述べた。
ト・ユビン役の俳優パク・ソンフンも「デジタル性犯罪を警戒する人、あるいは不法動画を撮影し流布する人、それを視聴する人、デジタル性犯罪に関心のない人まで、さまざまな人が色々と思いめぐらすことができる映画」だと紹介した。
映画『流布者たち』は23日に韓国で公開される。上映時間は101分で、年齢制限は15歳以上観覧可だ。

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