映画『同じ下着を着るふたりの女』のキム・セイン監督、「家族の間にも一定の距離が必要」
2022年11月17日

一般的に固い絆があると思われる母娘の関係を、新しい視点で描き出した映画『同じ下着を着るふたりの女 (原題:같은 속옷을 입는 두 여자)』が、韓国で公開された。
一番近い関係という理由で、相手の犠牲と理解を当然だと思い、結局こじれる母娘の愛憎を表現した作品だ。
劇中、母親と娘は不幸の理由をお互いのせいにする。一緒に暮らす毎日が、イライラの連続。
時々、下着まで共有するほど気兼ねない関係だが、映画はまさにその点が、2人の関係を壊すという、新しい視点に立つ。
演出を担ったキム・セイン監督は、「家族の間にも一定の距離が必要なのに韓国では“家族だから”、“お母さんだから”、“娘だから”と言って一線を越え、うまくいかなくなるケースが明らかにあると思う。(家族も) 感情的、物理的に引き裂くべき時は引き裂かなければならないと思った」と語る。
監督が20代のころに作ったということが信じられないほど、どちらか一方に偏ることなく、2人の話が込められている。
キム監督は「この映画は、私の実体験に基づいた話ではない。システムについての話をしたかったし、そのためには自己憐憫に陥ってはいけないと思った」と話す。
リアルなセリフと演技も見どころだが、「憎くても家族」というありふれた結末ではなく、執拗に主題を掘り下げていく力が最大の魅力だ。
昨年、釜山国際映画祭で5冠を達成し、海外の映画祭にも次々と招待され、話題を集めた。
