映画『英雄』のユン・ジェギュン監督、「原作を見た観客を失望させないのが目標」
2022年12月15日

「8年ぶりに監督として出たので、(緊張で) 震えている。もともと、そんなタイプではないのに、プレッシャーがあり、緊張していて、全てが新しい。愛されたい。作品で…(笑)」
『TSUNAMI -ツナミ-』(2009)と『国際市場で逢いましょう』(2014)で、韓国初の観客動員数1,000万人を記録したユン・ジェギュン監督が8年ぶりに、新作映画『英雄 (原題:영웅)』で帰ってきた。
14日、ソウル・鍾路 (チョンノ)区 昭格 (ソギョク)洞のカフェで会った彼は、緊張した面持ちで、インタビューの間、しきりに唾を飲み込んでいた。
映画『英雄』は、同名のミュージカルを脚色した作品で、既存のミュージカルをスクリーンに移した韓国初のオリジナルミュージカル映画でもある。
ユン監督は、「2012年に俳優チョン・ソンファが主演を務めたミュージカル公演を見て、映画化を決意した」と述べ、新たなジャンルに挑戦した背景を説明した。
「ミュージカル映画という選択が、大変だということは十分に分かっていた。それでも新しいことに挑戦するということが、大きなモチベーションになった。私がやってきた作品の中で一番、ストレスを感じ、つらかった」
映画は、原作の構造に忠実に従った。主人公“アン・ジュングン (安重根)”役も、ミュージカル「英雄」の初演から主演を務めてきた俳優チョン・ソンファをそのまま起用。
ユン監督は、「“原作のミュージカルを見た人が、絶対に失望しない映画にすること”、“世界市場に出しても恥ずかしくない作品を作ること”が最大の目標だった」と語った。
「この2つの目標を達成するために、チョン・ソンファを選んだ。スポンサーから反対されたのは事実だが、アン・ジュングンをチョン・ソンファよりうまくやれる俳優は韓国にいないため、代案など考えられなかった。撮影をしながら、自分の考えは確信となり、チョン・ソンファは、それを十分に証明してくれた」
ユン監督は、「作品の撮影中ずっと、出演陣と制作陣全員が “難しくても、簡単な道を行くのはやめよう”という気持ちで臨んだ」と明かした。その誓いの一環として選んだのが、ライブ録音方式だった。『英雄』に登場する歌の70%は、現場で録音されたという。
「撮影中は、“アフターレコード (アフレコ/アニメや洋画の日本語吹き替えの音声のように、既に撮影されたものの動きを見てそれに音をつけること)にすればよかった”と後悔した。 (アフレコより) 3倍は撮影に時間がかかるからだ。歌はとてもうまいのに、音がずれるとか、歌は上出来なのに、演技がリアルに感じられなくて“OK”を出せないとかいった状況が多かった。両方に満足してもスタッフの咳の音、虫の音、遠くのクラクションの音が入ってやり直したこともあった」
またユン監督は、感情の演技と歌を一呼吸でつなげるために、主要なシーンでロングテイク撮影技法を使った。
ロングテイク撮影を計30回以上行い、完成したシーンもある。役作りのため、体重を14キロ落としたチョン・ソンファは、本撮影が終わり、体重を戻していたため、再撮影の際に再び減量したという。
「私も、こんなに何度も撮り直したのは生まれて初めて。私だけでなく、全ての俳優とスタッフが最善を尽くした。彼らのおかげだと思う。もう一度ライブでミュージカル映画を撮れと言われたら、できるか分からない。とても大変だったから (笑)」
『英雄』は、今月21日に韓国で公開される。
