バンド「春夏秋冬」のキム・ジョンジン、「私は完ぺき主義者、楽曲1曲すらも渾身の思いで世に出す」

2023年03月01日

「時間が流れ、忘れ去られたもの、捨てられたものの価値を認めてこそ、よりよい世の中を作ることに貢献する音楽家と言えるのではないだろうか?」
冬将軍の勢いがひと段落したソウル・江南(カンナム)区のあるカフェ。記者と会ったバンド「春夏秋冬(SSaW)」のキム・ジョンジンは最近、ビンテージ音楽を取引することが趣味になったと明るく笑った。
彼は昨年10月に開かれた記者懇談会で「春夏秋冬」を、「持続可能性の守護者」と説明した。古くてさびたもののホコリを払い落とし、その価値を保存したいという彼の願いを盛り込んだ修飾語だった。
キム・ジョンジンは「永遠に変わらない事実を、われわれはいつか忘れてしまう」とし、「“忘れられる”という事実のために自暴自棄になってはならない」と述べた。
「木の枝はムチかもしれないし、苗木かもしれない。“忘れられた運命”も、誰かにとっては残忍な事実となり、また誰かにとっては未来への土台となるかもしれない。私は後者を選んだ」
キム・ジョンジンは今年5月にアメリカ・ロサンゼルス(LA)で公演を開き、流れたものを胸に抱いたレパートリーを披露する。2010年9月のロサンゼルス公演以来、約13年ぶりとなる海外公演だ。
キム・ジョンジンは「K-POPが世界的に人気を集めている今、韓国文化の本質を知らせたい」とし、「K-POPのルーツをお見せすることができる公演を開くことになった」と紹介した。
彼は「春夏秋冬の音楽は、ブルースとジャズという英米圏の音楽を韓国式に解釈した楽曲であるため、アメリカは虎の穴のような場所」と述べ笑った。
K-POP歌手たちが世界を駆け回り、韓国音楽は全盛期を迎えている。キム・ジョンジンは作品性より商業性にだけ集中する一部のK-POPに対して、残念な気持ちをあらわにした。
彼は最近開かれたグラミー賞で「Song of the Year」部門を受賞したアメリカのシンガーソングライター、ボニー・レイットの「Just Like That」を、よい音楽の指向点だと指摘。「Just Like That」はある母親が、息子の心臓が移植された男性に出会い、彼の心臓の鼓動音を聞く物語を歌った楽曲だ。
キム・ジョンジンは「K-POPの流行が急速に広がっただけに、音楽の根がしっかりしていなければ、早く終わってしまうこともありえる」とし、「音楽にもう少し物語を盛り込んでもよいのではないか」と助言した。
彼はK-POPの根を固めるためにも、主流音楽と非主流音楽の交流が拡散されなければならないと強調。主流音楽は結局、非主流音楽から発掘され、しっかりと手入れされ、世の中に出た結果だというのが彼の説明だ。
「春夏秋冬やキム・ジョンジンの任務は、主流と非主流音楽をつなぐ橋になることだ(笑)」
リマスターとリメイクアルバムの発売、韓国内外の公演まで旺盛に活動しているが、肝心な「春夏秋冬」の新譜の便りは聞こえてこない。「春夏秋冬」は2008年にリリースした『美しい、美しい!(原題:아름답다, 아름다워)』以来、フルアルバムを発売していない。
キム・ジョンジンは新曲が頻繁に出ない理由を問われると、「私の完ぺき主義が新曲を出すのに足を引っ張っている」と答えた。
「雑に消費され、消える楽曲を発表したいという思いはない」と述べる彼からは、音楽に向けた“プロ意識”を垣間見ることができた。
「1曲を出すにも、大げさに出さないと(笑)」

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