映画『ソウルメイト』、繊細に描かれた友情の形
2023年03月02日

1998年の暑く晴れた夏の日、退屈な授業を受けていた子ども“ハウン” (子役/リュ・ジアン)の前に、転校生“ミソ” (子役/キム・スヒョン)が現れる。
どういうわけか、カバンを置いて教室の外に飛び出したミソ。ハウンは、ミソにカバンを渡し、2人は友達になる。
映画『ソウルメイト (原題:소울메이트)』は、子どもの頃、友達になった2人の関係の屈曲を描く。
よく友情と愛は、違う感情だとみなされる。しかし、強い友情は、いわゆる愛の感情と呼ばれるものに、とてもよく似ている。恋人に対して抱く心理的疎外感や、物理的に距離が遠くなることでお互いの日常を以前のように話せなくなる時に抱く感情がそうだ。
このように、全てを知っていると思っていた友人から、見慣れない姿が見えた瞬間、友情の形も変化するものだ。映画は、ミソとハウンの関係を通して、幼少期の友達、あるいは大切な存在に対して抱きがちな感情の変化を、繊細におさめた。
お互いに違う環境で育ったミソとハウンは、性格も生き方も正反対だ。
父親が不在にしていることが多い家庭で育ったミソ (キム・ダミ)は、自分に対して愛情や関心を示してくれない母親、頻繁にある引っ越し、転校に耐えながら生きてきた。一方、両親の愛を受けて育ったハウン (チョン・ソニ)は、一度も生まれ故郷である済州 (チェジュ)を出たことがない。高校生のミソは、あちこちでトラブルを起こす学生だが、ハウンは両親の期待に応える優等生だ。
違う存在なのにくっ付いて離れない光と影のように、2人はいつも一緒にいる。しかし、ハウンに好きな人ができることによって、関係は変わり始める。
香港映画『ソウルメイト/七月と安生』をリメイクしたこの映画は、原作のプロットと感情の動きを守りながらも、詳細な設定を変えることによって差別化を図った。
最も違うのは、絵という素材を全面に押し出した点だ。映画で登場する絵画は、ミソとハウンの性格や状況を効果的に表し、2人の関係をつなぐ媒体としての役割も果たす。
ペットの猫の気持ちまで絵に描くミソは、自身の性格のように、自由な抽象画を、鉛筆一つで実物そっくりな絵をキャンバスに描くハウンは、静物画を好む。
映画は、1990年代後半から続く時間的背景を表現する過程で、韓国の情緒を自然に溶かし出した。ガラケー、デジカメ、キーホルダー、ゲームセンターなどのレトロな小道具は、その時代を過ごした人々に、懐かしさを与える。
作品の主な背景である済州島の美しさも見どころだ。ミン・ヨングン監督は、ミソとハウンの成長する過程を、済州の緑ときらめく景色の中に一つの絵のようにおさめた。
キム・ダミとチョン・ソニの演技は、ミソとハウンの急速に変化する関係に説得力と没入感を加える。特に、キム・ダミは、これまで見せてきたドラマのキャラクターの魅力を全て、ミソに込めた。
ミン・ヨングン監督は、試写会直後に行われた記者懇談会で、「爽やかさ、初々しさ、誰かを好きになるトキメキがこみ上げる感じで映画を見てほしい」と語った。
15日に韓国で公開される。上映時間は123分で、PG12。
