映画『リバウンド』のチャン・ハンジュン監督、「妻が私の代表作になると言った」

2023年04月03日

「私はもともと根気がない。世の職人のように一つのジャンルだけずっとやり続けることはできない。やっているうちに飽きると思う。一番興味がある話をその都度やろうとしたら、まるで“キンパブ天国”のようになった」
2002年に映画『ライターをつけろ』でデビューしたチャン・ハンジュン監督は、これまでコメディやドラマ、ミステリーなど、さまざまなジャンルを行き来しながら、演出や脚本および脚色、演技など様々な作品活動をしてきた。
チャン監督が『記憶の夜』(2017)以来、6年ぶりに輩出した新作『リバウンド(原題:리바운드)』は、2012年、最弱高校と評された釜山(プサン)中央高校のバスケットボール部が、全国の舞台で成し遂げた奇跡のような勝利をヒューマンドラマ形式で描いた映画だ。
ユーモア満載だと噂のチャン監督は、高校の選手たちの感動的な勝負が描かれる映画の随所に笑いを散りばめた。
最近、あるカフェで会ったチャン監督は、言葉通りユーモアが満ちていた。彼は「私の年代の監督は、ほとんど引退している。考えてみると大きなヒット作もなく生き延びた」と笑い、過去を振り返った。
チャン監督は、ドラマ「キングダム」シリーズなどを執筆したキム・ウニ作家の夫としても知られている。新作映画『リバウンド』の脚色には、キム氏が直々に参加し、有名作家である妻が協力した。
「キム・ウニ氏は、私を精神的な面でも支えてくれた。『リバウンド』は、必ず作らなければならないと言ってくれた。“もし、あなた(監督のこと)がやらなくても誰かがこの映画を作るだろう”と言った。そして編集された『リバウンド』を見た妻が、こう言った。“この映画はあなたの代表作になる”と」
チャン監督は、釜山中央高校のバスケットボール部のカン・ヤンヒョンコーチに扮した俳優アン・ジェホンについて、「彼だけのディティールとキャラクターがある」と称賛を惜しまなかった。
彼はアン・ジェホンの過去の作品『足球王(原題:족구왕)』(2014)を例に挙げ、「ソン・ガンホ、イ・ソンミン俳優もできないキャラクターだ」としながら、「アン・ジェホンが持った作品に対する態度、人間的謙虚さ、こういう部分が私と非常にぴったり合ったようだ」と述べた。
「私はアン・ジェホンの作品が好きで、彼のキャラクターも好き。われわれの周りには、ああいうぽっちゃりとした人がよくいるような気がする。ある意味、俳優のような感じもなく、彼が持つ妙な味がある。だからアン・ジェホンに『リバウンド』のシナリオを渡すことになり、3日で『やる』という連絡が来た」
映画『リバウンド』には、バスケットボールの競技シーンがかなり多い。競技シーンが多いということは、そのぶん俳優たちがバスケットボールの演技にかけた苦労が多いということだ。劇中、釜山中央高校のバスケットボール部選手を演じたイ・シニョン、チョン・ジヌン(2AM)、キム・テクなどは、撮影2カ月前から猛訓練していたと伝えられている。
「俳優たちは、本当に頑張ってくれた。私が、合宿しながら練習するように促した。撮影期間、バスケットボールのシーンをずっと撮り続けていたので、最後のほうはバスケの実力が格段に上がっていた(笑)。作品をご覧になれば分かると思うが、2012年のときの実際の選手たちのように、俳優たちもだんだんやせていくのが分かった」
チャン監督は、作品の中の名セリフとされている「バスケは止まっても人生は止まらない」に込めた自分なりの意味も説明した。劇中、カン・ヤンヒョンコーチは前半を終えて、後半を準備する釜山中央高校のバスケットボール部選手たちにこのセリフを伝え、勝敗に対してのプレッシャーから脱して競技自体を楽しむように訴えた。
「そのセリフは、私が書いたもの。韓国のエリート体育システムから果たしてプロに進出する選手は、どれくらいいるだろうか。学生たちが多くの青春を捧げたにも関わらず、3%にも満たないように思う。どんなことでも、これがすべてではないということ。今やっていることで生活していかなければいけないかもしれない。自分の最後の職業が何になるのかは誰にも分からない」

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