映画『ソウルに帰る』の主演パク・ジミン、「私はフレディでフレディは私」
2023年04月27日

「私はフレディで、フレディは私だった。だから演技が自然だったのだと思う」
来月3日に公開されるフランス映画『ソウルに帰る』の主人公“フレディ”を演じた俳優パク・ジミンは26日、ソウル・銅雀 (ドンジャク)区にあるカフェでインタビューに応じ、このように語った。
『ソウルに帰る』は、韓国で生まれ、フランスで養子として育てられた“フレディ”が、25歳で偶然韓国を訪れることになり、経験する出来事を描いた映画だ。
この作品は、国際養子縁組となった子どもが韓国に来て、実の両親と感動的な和解する物語だという予想を破る。国際養子縁組となった子どものアイデンティティについての質問に、ありふれた答えを出すことを拒否するのだ。
パク・ジミンはソウルで生まれ、8歳の時に両親についてフランスに渡った移民2世だ。外見以外は、全てフランス人だという点で、フレディと似ている。
『ソウルに帰る』を構想中だったダヴィ・シュー監督が、主人公のフレディ役を誰に任せるか悩んでいた時、彼の知人がパク・ジミンを推薦したという。橋渡しをしてくれた知人は、韓国出身の養子で、パク・ジミンの友人だった。
パク・ジミンは、「友達は、“(シュー監督から)フレディのことを聞いて、ジミンがぴったりだと思った”と言っていた」と笑った。
フレディのようにパク・ジミンも、枠にとらわれることを嫌う。演技も、シュー監督の指示に従うというよりは「こうしたほうがいい」と、先に提案することが多かったという。
「私は、枠にはめられたらおかしくなってしまう (笑)。自由が与えられてこそ、いい演技ができるので、監督にいつも“自由をください”と言っていた」
ビジュアルアーティストのパク・ジミンは、初めて映画に出演したにも関わらず、秀でた演技力を見せた。
特に、韓国に帰って実の親に会いに行く国際養子の複雑な心境を、卓越した表情演技で見せた。カメラは、重要なシーンのたびにアップでパク・ジミンを映し、絶妙な表情の変化を追った。
パク・ジミンは、幼い頃に韓国を離れたが、1~2年に一度は韓国を訪問していたと明かした。韓国語も巧みで、少しの違和感もない。韓国語ができないフレディと違う点だ。
「フレディが韓国語を話せないシーンを演じる時が、大変だった。韓国語を聞き取れているのに、全然分からない外国語を聞いているように演じるのが、思いのほか難しかった」
作家の父を持つパク・ジミンは、幼い頃から小説をたくさん読んでいた。演技をしたことはないが、素晴らしい演技ができる精神的スキルは、早くから培われていたということだ。
韓国映画も好きで、特にイ・チャンドン監督の映画『ポエトリー アグネスの詩』を、感慨深く鑑賞したという。
『ソウルに帰る』のフレディは、韓国でもフランスでも外国人だ。
全羅北道 (チョルラブクト)・群山 (グンサン)まで行き、実の父親に会うが、彼女は逃げるようにそこを去る。フランスにいる母親とビデオ通話をするが、その会話さえかみ合わない。韓国人の外見を持ち、フランスで育ったパク・ジミンは、そのようなフレディを誰よりもよく理解する。
「私は、韓国人でもフランス人でもないと思う。さまよう魂だと思ったりもする。でも、さまようことを悪い意味として受け取ってはいない」
