キム・ソンホ出演映画『貴公子』、息詰まる追撃と格闘の連続…どんでん返しで埋め尽くされた2時間
2023年06月09日

「一体お前は何だ?誰だ、お前?」 マルコ(カン・テジュ)が自分をしつこく追いかけてくる貴公子(キム・ソンホ)に息を切らしながら聞く。 「言ったじゃないか、友だちだってば」貴公子があざ笑うような表情で答える。
パク・フンジョン監督の新作『貴公子(原題:귀공자)』は、息詰まる追撃アクションが絶え間なく繰り広げられる映画。 フィリピンの韓国系混血児であるマルコは不法賭博ボクシングのボクサーとして金を稼ぎ、苦労して生き抜いている。
ある日、韓国に住む顔も知らない裕福な父親が彼を訪ね、彼は母親の病院費でも助けようという気持ちで韓国に来る。 ところが何かおかしい。マルコを連れてきた韓国人たちは、彼を護送でもするかのように取り囲み、飛行機で会った貴公子という男性は執拗に彼を追う。 疑問はここで終わらない。フィリピンで偶然に会ったユンジュ(コ・アラ)という韓国人女性が、重要な場面のたびに現れるのを見ると、どうやら彼女も同じく彼を追っているようだ。
観客は誰かにしつこく追われる悪夢を見るような感覚に陥る。 マルコが韓国に到着するやいなや、自動車の追撃アクションが始まる。逆走行もいとわない貴公子の追撃は、向かい合う大型トラックと正面衝突しそうなめまいがする場面を演出する。 トンネルの中で必死に走ったりもする。マルコが複雑な路地に入ると、貴公子は住宅の塀や屋根を飛び越え彼を追う。
映画の後半部には本格的な格闘アクションが待っている。 銃撃を主に行うが、刀や鈍器、素手などの手段を選ばない。マルコを追うまた別の人物である財閥2世の“ハン理事”(キム・ガンウ)が加勢した最後の乱闘劇でアクションは最高潮に達する。青少年観覧不可の等級を受けたこの映画には、残忍な場面も少なくない。
最後まで緊張感が緩まない理由は『貴公子』の物語の構造にもある。前半部ではマルコが追われる理由に対する疑問が、後半部では繰り返されるどんでん返しが張り詰めた緊張感を維持する。
『新しき世界』(2013)や『The Witch/魔女』(2018)、『THE WITCH/魔女 -増殖-』(2022)などで独自のアクション映画の世界を構築したという評価を受けるパク監督は、追撃アクションが中心であるこの映画でアクションのスピード感を存分に引き上げる感じだ。
演劇舞台とテレビで人気を集めたキム・ソンホにとってこの映画はスクリーンデビュー作。彼はスマートなルックスと服装で平然と残酷な暴力を振るう狂気の人物である貴公子を印象的に演じた。
キム・ソンホは8日、ソウル・江南(カンナム)区のある映画館で行われた試写会後に記者懇談会で、「スクリーンに僕の姿が出てくるのが光栄で幸せな瞬間だった」と明かした。
『The Witch/魔女』でキム・ダミを、『THE WITCH/魔女 -増殖-』でシン・シアを抜てきしたパク監督は、今回はカン・テジュを選んだ。 カン・テジュは980分の1の競争率を勝ち抜き、3回のオーディションを通過し、マルコ役を演じることになった。彼はボクシング選手の体を作るために全国体育大会に出場するボクシング部の高校生たちと厳しいトレーニングをしたという。
映画の導入部の空間的背景はフィリピンだが、実際の撮影はタイのバンコクで行った。韓国国内では全羅南道(チョルラナムド)谷城(コクソン)や長城(チャンソン)、済州(チェジュ)の漢拏山(ハルラサン)などで撮影が行われた。 映画『貴公子』は21日に韓国で公開され、上映時間は118分、年齢制限は青少年観覧不可になっている。
