映画『密輸』であくどい海女役を演じた俳優キム・ヘス、「担ってきた役の中で一番下品な役」

2023年06月21日

「私は(映画を)長くやってきたし、多くの作品に出演した。印象的な役もやったが、これは私がやってきた役の中で一番下品な役だ」
俳優キム・ヘスは20日、ソウル・広津(クァンジン)区のある映画館で開かれた映画『密輸(原題:밀수)』の制作報告会でこのように述べ笑った。
夏の繁忙期市場を狙って来月20日に公開される『密輸』(リュ・スンワン監督)は、1970年代に海辺の村に化学工場が建設され、働き口を失うことになったあくどい海女“チュンジャ”(キム・ヘス)と“ジンスク”(ヨム・ジョンア)が密輸の世界に飛び込む話を描いた犯罪映画だ。
生計が苦しくなったチュンジャは、海に投げ込まれた物をすくい上げるだけで大金を稼げるということを知り、密輸にのめりこみジンスクを引き入れる。
彼女たちは、専門の密輸業者“クォン上司”(チョ・インソン)に出会い、状況はさらに深刻になっていく。一攫千金を手に入れるチャンスを前に、思ってもいなかった事件に巻き込まれる。
海を素材にしたため、俳優たちは水中での撮影もたくさん行った。昔、水の中でパニック障害を起こしたというキム・ヘスは、この映画の撮影で克服したと明かした。
「水中センターで深さ6メートルのプールを見下ろした時、パニックになった。『どうしよう?大変だ。ここで辞めるべきかな?』と思った。お手本を見せてもらったのだが、とても上手で興奮し歓呼していたら、パニック状態から少しずつ抜け出せた」
キム・ヘスはチュンジャについて、「“マイウェイ”という単語が彼女をよく説明している。道がなければ道を作って突き抜けていくキャラクターだ」と述べた。
この映画では、ヨム・ジョンアもチュンジャに劣らず強い海女を演じ、キム・ヘスとタッグを組んだ。
ヨム・ジョンアは「(撮影の時を)思い出すと、とても懐かしくて今も涙が出そうになる。それほど楽しかった現場だった」とし、「その中心にヘスさんがいた」と振り返った。
彼女は水中撮影について、「水も嫌いだし、水泳もしたことがなかった。でもすごくやりたかった。『必要に迫られればできるだろう。練習すればいいだけだ』という気持ちでまず始めた。そして結局はやり遂げた」と笑った。
リュ監督の前作『モガディシュ 脱出までの14日間』(2021)で駐ソマリア大使館の参事官役を演じたチョ・インソンは、『密輸』ではカリスマあふれる密輸業者に変身し、長い手足で華麗なアクション演技を繰り広げる。
チョ・インソンは「他の作品よりも(アクションの)練習をたくさんした」とし、「高い完成度になっているのではないかと思うので、楽しみだ」と述べた。
彼は自身の役柄については、「当時(『モガディシュ 脱出までの14日間』)より慎重で鋭く、狂暴な姿を見ることができるだろう」と説明した。
コロナ禍であったにも関わらず、『モガディシュ 脱出までの14日間』で361万人を集めたリュ監督は、新作『密輸』について、「この物語を企画した時から、キム・ヘスとヨム・ジョンアのお2人が浮かんでいた」とし、「映画を見たら、(2人の俳優が)“代替不可”であると感じるだろう」と述べた。
『密輸』は、1970年代に実際にあった密輸をモチーフに制作された。映画制作に参加したチョ・ソンミンプロデューサーが地方のある博物館で資料を見ていたところ、構想が浮かんだという。
「沿岸埠頭(原題:연안부두)」など、時代背景に合わせた1970年代の音楽は、この映画の独特な雰囲気を醸し出す。歌手チャン・ギハが、この映画に音楽監督として参加した。

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