パク・ハソン主演映画『どこに行きたいのですか』、一つの自己と二人の死…残された三人の克服記
2023年06月30日

不幸はたいてい見知らぬ番号からかかってきた電話一通から始まる。
リビングに座りのんびりとネギキムチを漬けていたミョンジ(パク・ハソン)にもそんなふうに不幸が急に襲ってくる。
彼女が電話を受けて足を運んで到着した場所は、遺体安置室。息が止まった夫のドギョン(チョン・ソクホ)が白い布をかぶったままミョンジを待っている。ミョンジの視線は、膨れあがり結婚指輪も外せないように見えるドギョンの手に向かう。
葬儀が終わりミョンジは自らを監禁する。彼女は夫の息吹を少しても失いたくないように、暗幕カーテンを閉めて家の中だけで過ごす。ドギョンの姿が夢と現実を行き来しながらちらつく。
キム・ヒジョン監督の映画『どこに行きたいのですか(原題:어디로 가고 싶으신가요)』は、突然の事故で愛する人を失った人々が傷を克服していく過程を描いた作品。
今年の全州(チョンジュ)国際映画祭の閉幕作として紹介されたこの映画は、キム・エラン作家の小説集「外は夏」に収録された同名短編を基にした。
キム監督は2017年にポーランドのワルシャワに滞在した当時、キム作家から直接この本をプレゼントされたという。最初のページから最後まで涙を流しながら完読しただけに、響きが大きかったとキム監督は回想した。
そのためか、キム監督は原作に載せられた文章のほとんどを映画に持ってきた。セリフやナレーションを通じてキム作家が書いた美文がそのまま伝えられる。
変わった点もある。映画でミョンジが洞窟のような家を出て向かった場所は、小説の中のスコットランドのエジンバラではなくワルシャワ。彼女はしばらく家を空けるから休んで行けと従姉の提案を振り切ることができず、見慣れない都市ワルシャワに行く。
しかしここでの生活も韓国とあまり変わらない。後悔と思い出が入り混じった夢を見て、業務を終えるように食事を済ませる。
ワルシャワで留学中の大学同窓のヒョンソク(キム・ナムヒ)に会うと、少しでもドギョンがもういないという事実を忘れることができてうれしいミョンジ。ヒョンソクはドギョンが死んだことを知らないためだ。
中学校の教師であるドギョンは、谷に落ちた教え子のジヨンを助けようとして命を失った。ジヨンも水から抜け出せずに亡くなった。
ジヨンの姉ジウン(チョン・ミンジュ)は精神的衝撃で体がマヒする。彼女もまた哭くことをやめて病院に横になってばかりいる。
小説でのジウンは、ミョンジに送った手紙でやっと存在感を表す人物だが、映画では主人公の中の一人に変わった。
原作にはないヘス(ムン・ウジン)というキャラクターも登場する。彼は親友のジヨンを失ったが、より大きな悲しみでもがくジウンをなだめる。
ミョンジとジウン、ヘスは自分たちも知らないうちにお互いを慰めている。ミョンジはジウンが送った手紙から、ジウンは病院を訪れるヘスの足取りから治癒が始まる。同じ痛みを経験する人々が、慰めを与え合うと、押さえられた感情が初めて噴出する。
作品の中心部に立ったジウンとヘスの描写では、キム監督の温かい視線が感じられる。もしかしたらミョンジよりもっと絶望的なジウンのために、ヘスをプレゼントしたように感じる。弟以外そばに誰もいないジウンが寂しく見えたためではないかと思う。
しかし小説の原作映画の慢性的な問題がこの作品でも現れ、物足りなさを残す。文章で見た時に伝えられた感動が映像を通じてはなかなか伝わらない。小説特有の文語体を口で聞いていると、多少ぎこちなくもある。頻繁なフラッシュバックや音楽の使用、簡単に混ざらないふたつの叙事は没入を妨害する側面がある。
映画『どこに行きたいのですか』は7月5日に韓国で公開され、上映時間は104分、年齢制限は12歳以上観覧可。
リビングに座りのんびりとネギキムチを漬けていたミョンジ(パク・ハソン)にもそんなふうに不幸が急に襲ってくる。
彼女が電話を受けて足を運んで到着した場所は、遺体安置室。息が止まった夫のドギョン(チョン・ソクホ)が白い布をかぶったままミョンジを待っている。ミョンジの視線は、膨れあがり結婚指輪も外せないように見えるドギョンの手に向かう。
葬儀が終わりミョンジは自らを監禁する。彼女は夫の息吹を少しても失いたくないように、暗幕カーテンを閉めて家の中だけで過ごす。ドギョンの姿が夢と現実を行き来しながらちらつく。
キム・ヒジョン監督の映画『どこに行きたいのですか(原題:어디로 가고 싶으신가요)』は、突然の事故で愛する人を失った人々が傷を克服していく過程を描いた作品。
今年の全州(チョンジュ)国際映画祭の閉幕作として紹介されたこの映画は、キム・エラン作家の小説集「外は夏」に収録された同名短編を基にした。
キム監督は2017年にポーランドのワルシャワに滞在した当時、キム作家から直接この本をプレゼントされたという。最初のページから最後まで涙を流しながら完読しただけに、響きが大きかったとキム監督は回想した。
そのためか、キム監督は原作に載せられた文章のほとんどを映画に持ってきた。セリフやナレーションを通じてキム作家が書いた美文がそのまま伝えられる。
変わった点もある。映画でミョンジが洞窟のような家を出て向かった場所は、小説の中のスコットランドのエジンバラではなくワルシャワ。彼女はしばらく家を空けるから休んで行けと従姉の提案を振り切ることができず、見慣れない都市ワルシャワに行く。
しかしここでの生活も韓国とあまり変わらない。後悔と思い出が入り混じった夢を見て、業務を終えるように食事を済ませる。
ワルシャワで留学中の大学同窓のヒョンソク(キム・ナムヒ)に会うと、少しでもドギョンがもういないという事実を忘れることができてうれしいミョンジ。ヒョンソクはドギョンが死んだことを知らないためだ。
中学校の教師であるドギョンは、谷に落ちた教え子のジヨンを助けようとして命を失った。ジヨンも水から抜け出せずに亡くなった。
ジヨンの姉ジウン(チョン・ミンジュ)は精神的衝撃で体がマヒする。彼女もまた哭くことをやめて病院に横になってばかりいる。
小説でのジウンは、ミョンジに送った手紙でやっと存在感を表す人物だが、映画では主人公の中の一人に変わった。
原作にはないヘス(ムン・ウジン)というキャラクターも登場する。彼は親友のジヨンを失ったが、より大きな悲しみでもがくジウンをなだめる。
ミョンジとジウン、ヘスは自分たちも知らないうちにお互いを慰めている。ミョンジはジウンが送った手紙から、ジウンは病院を訪れるヘスの足取りから治癒が始まる。同じ痛みを経験する人々が、慰めを与え合うと、押さえられた感情が初めて噴出する。
作品の中心部に立ったジウンとヘスの描写では、キム監督の温かい視線が感じられる。もしかしたらミョンジよりもっと絶望的なジウンのために、ヘスをプレゼントしたように感じる。弟以外そばに誰もいないジウンが寂しく見えたためではないかと思う。
しかし小説の原作映画の慢性的な問題がこの作品でも現れ、物足りなさを残す。文章で見た時に伝えられた感動が映像を通じてはなかなか伝わらない。小説特有の文語体を口で聞いていると、多少ぎこちなくもある。頻繁なフラッシュバックや音楽の使用、簡単に混ざらないふたつの叙事は没入を妨害する側面がある。
映画『どこに行きたいのですか』は7月5日に韓国で公開され、上映時間は104分、年齢制限は12歳以上観覧可。
