映画『眠り』の主演俳優イ・ソンギュン、「粘り強く生きようとする夫婦のメロスリラー」

2023年08月25日

「この映画をホラージャンルとは見ていない。与えられた状況を克服しようとする男女のメロドラマのようだった。粘り強く生きようとする夫婦が現実的な恐怖に見舞われるという、スリラーとミステリーが絡んだストーリーもとても興味深かった」
24日、ソウル・鍾路(チョンノ)区のあるカフェで会った映画『眠り(原題:잠)』の主演俳優イ・ソンギュンは、シナリオを初めて読んだ当時をこのように振り返った。イ・ソンギュンは来月6日に公開されるこの映画で、夢遊病に苦しむ“ヒョンス”役を務めた。 彼の異常行動は次第に危険水位を高め、妻の“スジン”(チョン・ユミ)にとっても脅威となる。しかしスジンはどうにかして夫のそばで支え、一緒に問題を解決しようとする。
イ・ソンギュンは「こんなにつらい状況なのに、ここまで(一緒に)いるべきなのかと思うと、コメディーのようにも見えたりもした」とし、「いくら寝ている間だとしても、大変なことをしておいて罪の意識があまりないヒョンスをどう見るべきか悩みも大きかった」と述べた。 「ヒョンスは毎晩事故を起こしながらもよく寝て、病院では“自撮り”する。『わあ、本当に鈍いキャラクターだな』と思った。彼なりに申し訳ない気持ちを軽く表現したつもりなのかもしれないと解釈した。しかし僕がもしヒョンスだったら、すぐに荷物をまとめて家を出て、考試院にでもモーテルにでも行ったと思う。妻を妻の実家に行かせたり(笑)」
全3幕で構成された『眠り』は、1幕で平穏な日常を享受していた家庭が揺れ始める姿を見せる。イ・ソンギュンは寝ている間、顔を容赦なく掻いたり、窓の外に飛び降りたりしようとするヒョンスを演じながら、緊張感を高める。冷蔵庫を漁って生肉や生卵、魚などを噛んで食べるシーンは恐怖を極大化する。
イ・ソンギュンは、この場面が一番心配でプレッシャーだったと述べた。 「1幕では、そのシーンさえ乗り切ればよかったし、挑戦したい気持ちも大きかった。幸いにもスタッフたちがきれいな食べ物を選び、テストも先にしてくれて、本当にありがたかった。そのためか5、6回のチャレンジで撮影を終えた。どうせやるならもっと奇怪に撮りたかったのに…」
2幕からは、スジン役のチョン・ユミが全面に出てイ・ソンギュンと共にストーリーをリードする。 2人がひとつの作品をするのは、ホン・サンス監督の『ソニはご機嫌ななめ』(2013)以来、ちょうど10年ぶりであり今回が4度目となる。
イ・ソンギュンは、チョン・ユミと再びタッグを組みたい欲が『眠り』への出演を決心した理由の中のひとつだと強調した。 「ユミとはずいぶん前から作品をまた一緒にやろうと話をしてきた。ユミとやると。気楽でいい演技がよく出る。いつもタイミングがずれて一緒にできず残念だったが、ついにやることになった。一番ためらった部分が」若い新婚夫婦として出るという部分だったが、ユミが一緒にやると聞いて安心した」
映画『パラサイト 半地下の家族』(2019)で縁を結んだポン・ジュノ監督の推薦も、イ・ソンギュンが『眠り』を選択することになった理由だ。この映画を演出したユ・ジェソン監督は、ポン監督の映画『オクジャ okja』(2017)の演出部出身で、ポン監督と師弟のような関係だ。『眠り』は、ユ監督の初の長編映画である。 イ・ソンギュンは「まずシナリオがすんなりと読めた」とし、「ポン監督が(『眠り』を推薦したいと)連絡をくれたことにも影響を受けた」と述べた。 「ユ監督はとても才能ある人だとおっしゃっていたので、楽しみにもあり気になったりもした。現場でのユ監督は、礼儀正しく落ち着いた方だった。それでむしろ僕がもう一度撮影をしようとお話したりもした。『遠慮しないで(望む演技が)出るまで、言ってほしい。後悔するかもしれないかあら』とも言った」
『眠り』は新人監督の作品としては異例的に今年開かれた「第76回カンヌ国際映画祭」の批評家週間に招待され、上映当時長いスタンディングオベーションを受けた。当時、イ・ソンギュンは初めて妻である女優のチョン・ヘジンと2人の息子を連れてカンヌを訪問した。 彼は「子どもたちにこのような経験をさせてあげるのは、最初で最後のようだった」とし、「ところが中学2年生の長男は、怖がりなので、怖い映画を見せられたと怒っていた」と笑った。 「それでもカッコよく着飾ってカンヌで拍手を受ける姿を見せてあげられて、(子どもたちに)よいプレゼントになったと思う。『眠り』は午前に上映されたうえ、批評家週間の作品であるにも関わらず拍手を長い間受けた。応援されているような感じだった。カンヌで先に注目された新人監督の作品を、韓国の観客たちにも披露することになりうれしい限りだ」

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