映画『ファラン』出演のBIBI(キム・ヒョンソ)、「学びが多かった作品」
2023年10月25日

「『だから自分が出た映画を見られない人がいるんだな』と思った。スクリーンの中の自分の姿を見ているととても恥ずかしかった(笑)」
最近、江南(カンナム)区のあるカフェで会った映画『ファラン(原題:화란)』の主演俳優キム・ヒョンソ(BIBI)は、劇場で初めてこの作品を見た当時をこのように振り返った。
キム・チャンフン監督が演出した『ファラン』は、歌手兼俳優のキム・ヒョンソが主演として乗り出した初の映画だ。義父のひどい暴力に苦しむ少年ヨンギュ(ホン・サビン)が組織の中間ボスチゴン(ソン・ジュンギ)と出会い経験することを描いた。
キム・ヒョンソはヨンギュの義理の妹“ハヤン”を演じた。貧しい状況と家庭内暴力など絶望的な状況にありながらも新しい人生を夢見る進取的な人物だ。ヨンギュとあれこれと言い合うが、彼のためなら危険もいとわない決断力のある性格でもある。
キム・ヒョンソは「(これまでのイメージと異なる)このような暗くて慎重な姿をお見せしたかった」とハヤン役を引き受けた理由を説明した。
「ハヤンは『ここから出れば、ここから抜け出せば』という希望を持った人。完ぺきな善人ではなくてもそれなりの悩みがある。見た目は平凡、中身は非凡だが、そんな人はあまりいない。演技をしながら私もハヤンにみたいになりたいと思った」
しかしキャラクターより彼女の気持ちを引き締めたのは、『ファラン』を貫くテーマだった。大人たちの虐待と暴力が一人の子どもの人生にどんな影響を及ぼすかを映画はヨンギュとチゴンを通じて見せる。
「第三者の目で見て考えると、このような悪習や代々受け継ぐ虐待を断ち切ることができるのではないかと思った。親は子どもにとって世界だ。私が望むのは観客たちの“本当の共感”。ただ『悲しいだろうね、かわいそうだ』ではない。誰でも大なり小なり似たような経験があるのではないだろうか。自分のことのように身近に見てほしい」
キム・ヒョンソは、義理の兄のヨンギュと共に暴力の束縛から抜け出すハヤン役で希望を自ら見せる。
彼女は「ハヤンは私ではなくても誰でもこなせる配役」だと謙遜したが、観客たちと映画界の関係者たちの間では、キム・ヒョンソの演技に対する好評が続いている。
キム監督もまた、先だって行われたインタビューで彼女について、「計算するというより本能のままに演じる俳優」としながら、「最初の場面を撮影するやいなや『何の問題もないだろう』と思った」と称賛した。
キム・ヒョンソは「私は褒められて育つ人なので、監督が(わざと)そうしたように思う」とし、「現場で監督が『お前らしくしろ』と言ってくださったのが、大きな助けになった」と振り返った。
『ファラン』は彼女にとって演技はもちろん、映画のメカニズムに関しても学ぶことになった作品だと述べた。
2019年にシングル「BINU」を出して歌手としてデビューした彼女は、主に音楽・バラエティー番組で活動してきた。映画『女高怪談 六番目の話:母校(原題:여고괴담 여섯번째 이야기: 모교)』(2021)や『幽霊(原題:유령)』に出演したりもしたが出番は多くなかった。
キム・ヒョンソは「歌手の時は私だけうまくやればよかったが、映画はみんな一緒にうまくやらなければならないということを知った。絆も芽生え、(他人に)頼る方法も学んだ」と笑った。
特に、一緒に出演したソン・ジュンギについては、「(撮影のときに)目が合って、間違いがバレると焦った」とし、「目つきが一変する姿に驚いた」と回顧した。
キム・ヒョンソは『ファラン』で、今年5月に俳優たちの“夢の舞台”であるカンヌ国際映画祭にも招待された。
彼女は「あまりにも初心者だからか、レッドカーペットで大きく緊張はしなかった」とし、「上映後の観客のスタンディングオベーションを受けた時は、あえて楽しもうと思った」と述べた。
キム・ヒョンソは最近公開されたDisney+シリーズ「最悪の悪」に出演するなど俳優活動にまい進している。8月にはニューシングルをリリースし、歌手活動も怠らない。
彼女は「芸術で食べていけるのがとてもありがたい」として、今後も俳優と歌手を並行すると強調した。
「俳優としては服をきちんと着替えることができる人になりたい。どんな役を演じても服を着替えるようにしっかり変身する、そんな俳優。私の欲であるし、起こりえないことで、誰かに悪口を言われるかもしれないが、機会があればパク・チャヌク監督とも一度作業してみたい」
