街で出会う他人が恐怖になってしまった現実…チェ・ジウら出演の映画『ニューノーマル』

2023年10月31日

新型コロナウイルス感染症のパンデミックで強力なソーシャルディスタンスをとっていた時期は、他人が近づくだけも不安を覚えたりした。
絶えず出てくる“通り魔”的な暴行と殺人事件は、街で出会う人がいつでもわれわれの生命を脅かす存在に急変しうるという危機感を呼び起こす。
そのようにわれわれは他人が危険な存在になってしまった世の中に生きている。

チョン・ボムシク監督の新作『ニューノーマル(原題:뉴 노멀)』は、このような世の中の物寂しい感じを奇抜な話で表現した作品だ。
この映画は、お互いに関係なさそうないくつかのエピソードを集めたオムニバス形式だ。それぞれのエピソードは完結した話だが、緩いひもでつながっている。全体的な連結構造は、映画の結末になってようやく現れる。
すべてのエピソードは誰もが日常で経験しそうな他人との偶然な出会いを描く。
マンションで一人夜を過ごす女性(チェ・ジウ)の元に予告もなく火災警報機の点検員が訪ねてきてベルを鳴らし、ボランティアをしたい中学生(チョン・ドンウォン)は、車いすが動かず困っているおばあさんと出会う。
孤独な就活生(イ・ユミ)は、マッチングアプリでつながった男性を待ち、就職をあきらめた男性(ピョ・ジフン)は隣に住む美しい女性を毎日盗み見る。コンビニのアルバイト生(ハ・ダイン)はモンスター顧客のパワハラにうんざりしている。
誰もが経験しうる話だが、衝撃的で悲劇的な結末に突き進む。そのように他人との出会いに対する不安感が劇的に表現される。
日常的だとは言い難いエピソードもある。飲料水の自販機で謎の手紙を拾い上げた男性(チェ・ミンホ、SHINeeのミンホ)の話がそうだ。このエピソードもまた予想外の衝撃を与える。
人と人の偶然な出会いからサスペンスを起こし、奇抜などんでん返しで恐怖の物語を作り出すチョン監督の演出力が際立つ。ホラー映画『1942奇談』(2007)や『コンジアム』(2018)で彼が得た“K-ホラーマスター”というニックネームに遜色がないといえる。
しかし『ニューノーマル』は『1942奇談』や『コンジアム』とはまったく違う。
観客が驚くほどの衝撃的な場面を見せるよりは、些細な場面一つひとつからスリルを続けることに集中する。笑いを起こすシーンも多く、ブラックコメディの性格も帯びている。
テレビドラマ「冬のソナタ」(2002)で主演を務めた韓流スターであり、“メロクイーン”に挙げられる女優チェ・ジウの演技変身も目につく。長い髪をほどいた彼女は、冷ややかな表情でスリルを醸し出し、突然観客の予想を破る。
モンスター顧客に見舞われながら人間憎悪に陥るコンビニのアルバイト生役を務めたハ・ダインの演技も印象的だ。彼女は長編映画デビュー作である今回の作品の演技のために、体重を8キロ減らしたり、自らコンビニで働いてみたりするという情熱を見せたという。
『ニューノーマル』は「第26回富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭」で閉幕作として上映され、「第23回ミラノ国際映画祭」の国際コンペティション部門に招待された。
11月8日に韓国で公開され、上映時間は112分、年齢制限は15歳観覧可だ。

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