演劇「ゴドーを待ちながら」出演の俳優シン・グ、「僕の力のすべてを出す気持ちで臨む」
2023年11月10日

「『ゴドーを待ちながら』は、ずっと前からやってみたい演劇だったが、機会がなかった。もう最後の作品になるかもしれないが、この機会を逃したら一生できないと思い欲を張った」
俳優シン・グは9日、ソウル・芸術家の家の多目的ホールで開かれた「ゴドーを待ちながら」の記者懇談会で、作品に出演する感想をこのように明らかにした。
来月19日から来年2月18日まで、ソウル国立劇場タルオルム劇場で開かれる演劇「ゴドーを待ちながら」は、演劇界の大俳優が総出動した舞台で、キャスティング公開から関心を受けた。
シン・グ、パク・クンヒョン、パク・ジョンジャ、キム・ハクチョルなどの俳優たちの演技経歴を合わせると、220年あまりに達する。87歳の高齢であるシン・グが2か月間開かれる公演に、単一配役で出演するという事実も挑戦とみなされた。
シン・グは「果たして舞台で動きをこなし、多くのセリフを覚えられるのかという懸念があった」とし、「僕の力を全部出せば克服できるという思いで努力している」と述べた。
「ゴドーを待ちながら」はアイルランド出身の劇作家サミュエル・ベケットの代表作で、1953年にパリで初演した。韓国では、1969年に演出家イム・ヨンウンが初めて披露した。その後50年間、劇団「サンウリム」の公演だけで1500回にものぼる古典だ。
新しいプロダクションを率いる演出家オ・ギョンテクは、「イム・ヨンウン演出の立派なプロダクションを見て、演出を学んだのでプレッシャーを感じる」としながらも、「先生たちを連れて学び、自ら選択した幸せな苦痛を楽しんでいる」と述べた。
これまで数多くの舞台に立ったシン・グとパク・クンヒョンはもちろん、すべての俳優たちが「ゴドーを待ちながら」の出演は、初めてとなる。
パク・クンヒョンは「大学の演劇学部時代から一度やってみたい作品だった」とし、「出演に対する熱望があったが、引き受けられず時間だけが過ぎていた。今回、運よく出演することができた」と述べた。
作品は、エストラゴン(ゴーゴー)とヴラジーミル(ディディ)という2人の放浪者が、実体のない人物“ゴドー”を限りなく待つという内容だ。シン・グとパク・クンヒョンがそれぞれゴドーの実体を探す放浪者のゴーゴーとディディとしてタッグを組む。
シン・グは「ゴーゴーは、“明日はゴドーが来る”と言いながら毎日を過ごす」とし、「ゴドーが象徴するものが神であれ、自由であれ、それを切実に待つ姿を表現する作品だ」と説明した。
パク・クンヒョンは「ディディという人物は、われわれはいつも何かを待ちながら生きているが、結局何もないという虚しさを伝える」とし、「ディディ役は私が追及する演技と異なり、自由奔放に表現しなければならない。挑戦する気持ちで臨む」と述べた。
彼は、シン・グと演劇の舞台でタッグを組むということは今回が初めてだと述べた。
パク・クンヒョンは「力を合わせる過程で、誰一人反対になる話を持ち出したことはない」とし、「演出が提示する部分を持って、ディティールな部分を合わせながら作品を準備している」と説明した。
キム・ハクチョルとパク・ジョンジャは、2人の放浪者と対話を交わす地主のポッツォと彼のポーター、ラッキー役で出演する。
パク・ジョンジャが務めるラッキーは、主に男性俳優が担う役柄だ。韓国の舞台で、女性俳優がラッキーを演じるのは今回が初めてだという。
パク・ジョンジャは「作品の便りを聞くやいなや、ラッキー役を演じたいと手を挙げた」とし、「俳優は男女の区別がない。シン・グさんやパク・クンヒョンさんは、ラッキーができないのか。女性の役はできないのか。私たちは自由だ」と述べた。
キム・ハクチョルは初めての稽古で、パク・ジョンジャと向き合った瞬間について言及しながら、座中の笑いを引き出したりもした。
彼は「初めての練習でパク・ジョンジャ先生の首にロープをかけなければならなかったが、申し訳ない気持ちで丁寧なあいさつをした」とし、「最初は申し訳ない気持ちで始めたが、今は先生が私の奴隷のようだ。躊躇なく表現する」と述べた。
