歌手KCM、新譜『US』に込めた思い…「ファンに向けた感謝をアルバムに盛り込んだ」

2024年01月16日

「20年という歳月は軽いものではなかった。それで僕には記念碑、ファンにはプレゼントのようなアルバムを作らなければならないと思った」
歌手KCMは最近、ソウル・江西(カンソ)区の所属事務所のオフィスで行ったインタビューで、「実は僕さえもデビュー20年が経ったということを気づかずに暮らしていた」と、歌手人生20年を迎えた感想を淡々と語った。
彼は「今でこそ笑えるが、過去の時間に笑えない多くの出来事があった」とし、「20年を迎えてから今になって気楽に呼吸して考えられるほどの余裕ができた」と振り返った。
KCMは2004年に1stアルバム『Beautiful mind』で正式デビューし、訴求力のある声と歌唱力を武器に、「An old love story」、「Dear My Eunyoung」、「Smile Again」などのヒット曲を出した。
KCMは「実は1stアルバムから3rdアルバムまでは会社の指示どおりに(歌を)歌った。そのせいか(歌詞に)共感できず、機械のように歌った」とし、「その時に戻ることができるなら、楽しみながら活動できると思う。当時は一日にスケジュールが4、5つあり、大変だという考えだけだった」と打ち明けた。
切ないバラード音楽とは対照的な筋肉質な体つき、ノースリーブの衣装、そしてアームカバーは2000年代中盤の“ファッションアイコン”として今も話題になっている。バラード歌手が、ヒット曲の他にファッションでも印象付けるのは珍しい。20年が過ぎた最近も“Y2Kブーム”のおかげでこのような衣装を期待する人々がおり、家にアームカバーを10個くらい持っていると述べた。
KCMは「以前は『大学生が一番嫌いな男性ファッションの1位』にも挙げられたこともあり、率直に気分がよくなかった」としながらも、「今はただ感謝している。誰かは一生欲しがっても得られない“シグネチャーアイテム”ができたから。正直、そんなコンセプトの広告オファーもたくさん来た」と述べ、豪快に笑った。
KCMはデビュー20周年を祝うアルバム『US』も発売した。
アルバムにはタイトル曲「There's Still Someone I Love」をはじめ、「Dawn」、「Thinking」、「Countdown to Three like a Habit」、「Just Good」など計14曲が盛り込まれた。KCMは特にタイトル曲を除いた全曲を作曲し、シンガーソングライターとしてのスキルも誇った。
彼は「今回のアルバムは、僕が直接手でこねて作った料理のようだ」とし、「一曲一曲歌うたびに感情移入できた」と明かした。
タイトル曲「There's Still Someone I Love」は、「An old love story」など彼の代表曲を作った“ヒット曲メーカー”のチョ・ヨンス作曲家と15年ぶりに再びタッグを組んだ楽曲だ。KCMの独特な音色と感受性が際立つミディアムテンポのバラードで、誰かに向けた申し訳なさと感謝、心残りと恋しさが切々と溶け込んでいった。しかし、2000年代の楽曲のように感情が過度だったり、聴くのに負担になったりせず、耳に馴染むのが特徴だ。
KCMは「ヨンスさん(チョ・ヨンス作曲家)がレコーディング室に入って、15年ぶりにディレクティングをしてくれた。昔に戻った感じだった」とし、「『君が得意なことは、これまでたくさんやってきた。20周年だからこそ、今度は少し減らそう』と言っていた」とエピソードを伝えた。
続けて「それで表現したい音域帯はやめ、誰もが口ずさむことができ、気楽に聴ける楽曲を完成させた」と付け加えた。
彼は特に「KCMの歌は、他の男性たちが歌ってはいけない “ブラックリスト”のような楽曲だ」とし、「(独特なスタイルが)僕にとっては、誰も簡単にマネできない“勲章”のようだったが、一方で大衆歌手は多くの人が歌を気軽に歌えるような歌を歌わなければならないと考えたため、諸刃の剣のようだった」と打ち明けた。
アルバムを開く1番トラック「US」は、彼がデビュー以来、初めて披露するファンソングだ。KCMは長い時間忘れずにそばを守ってくれたファンに対する感謝を真心こめた直筆の手紙のように盛り込んだ。
これから20年の目標を尋ねると、「休まずアルバムを出して問題なく番組活動もしたい」という答えが返ってきた。先輩歌手のヒョン・ジニョンがちょうど彼に「1人であれ、10人であれ、君の音楽を好きな人がとても愛してくれたぶん、音楽をプレゼントしてあげると考えろ」とアドバイスしたという。
「16歳の時から練習生生活をしていたが、安定的な人生を望んでいた母は技術を学べと言った。ところが僕は『音楽をやらなければ死ぬ』と反抗していた。それでもこの20年を無事に終えたので、今後も結果にこだわらず、燃え尽きずに音楽をやっていけたら幸いだ」

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