『怪物』の是枝裕和監督、「韓国は変化を認める社会…映画環境もよく整っている」
2024年02月06日

「正直に言って、これまで『怪物』が韓国の劇場で上映されるとは予想していなかった」
映画『怪物』を演出した日本の巨匠是枝裕和監督は5日、江南(カンナム)区の配給会社NEWの社屋で行ったインタビューで、「韓国で『怪物』が愛されていることを実感している」と述べた。
彼は昨年11月の映画公開当時には、スケジュールの問題で韓国を訪問できなかったが、映画が長い間愛されることへの感謝を表すためにソウルを訪れた。
『怪物』は最近、累積観客数が50万人を超え、是枝監督の日本映画としては最高ヒット作になった。彼は『誰も知らない』(2005)、『そして父になる』(2013)、『万引き家族』(2018)などを通じて優れた作品性を認められた。
是枝監督は「脚本家の素晴らしいシナリオと、オーディションを通じて選ばれた黒川想矢と柊木陽太という子役俳優の魅力のおかげだ」と述べた。
日本の有名脚本家・坂元裕二がシナリオを描いた『怪物』は、これまで大きな関心を得られなかった社会的弱者である児童性的マイノリティーを主人公に掲げた。
この映画はNAVERで評点9点台を、Watcha Pediaで4.3点台を記録し、興行だけでなく作品性まで認められた。
是枝監督は「どんな部分が韓国の観客の心に響いたのか私にはよく分からない」としながら、「むしろ私が観客の方に聞いてみたい」と笑った。
彼はただ「日本では『同じでなければならない、一般的でなければならない、似ていなければならない』という普通の価値を重視し、そうでない人々を排除する文化が強い」とし、「韓国は変化の価値を認める社会だというのが違いだ」と指摘した。
是枝監督は『空気人形』(2009)の主人公にペ・ドゥナを前面に出し、韓国映画会社と作業した『ベイビー・ブローカー』(2022)のメガホンを握るなど、韓国と縁が深い。
特に『ベイビー・ブローカー』では、ソン・ガンホが韓国俳優で初めてカンヌ国際映画祭の主演男優賞を抱いた。彼は今回の訪韓の時も時間を作ってソン・ガンホやペ・ドゥナと会ったという。
是枝監督は「ソン・ガンホさんは『怪物』に対して非常に的確で立派な解釈をしてくれた」としながら、「ペ・ドゥナは2人の少年の演技を大きく称賛していた」と伝えた。
彼は現在計画中の韓国作品や韓国俳優が出る作品があるのかという質問に、「まだ秘密だ」とし「具体的ではないが実現されることを願う。韓国俳優たちと共にしたい(作品の)企画はある」と明かした。
続けて「ソン・ガンホさんやペ・ドゥナさんに今回会ってよい機会を得た。キム・ダミやハン・イェリのような俳優たちもとても魅力的だと思っており、できれば一緒に仕事をしたい」と付け加えた。
是枝監督が韓国の俳優や製作会社との協業に積極的なのには、『ベイビー・ブローカー』の演出経験が主要に作用した。
彼は「『ベイビー・ブローカー』を作る間、韓国に滞在しながら映画の撮影環境がよく整っているということを知った」としながら、「韓国のスタッフは若くてたくましく、同労時間や(慣行的な)暴力に対する管理がよくできている」と称賛した。
それと共に「日韓両国間で学ぶことが多いと思うので、もう少し交流が活発になってほしい」と述べた。
是枝監督は、韓国での経験を基に数年前から日本版の映画振興委員会の設立を推進している。
日本にも映像産業を専任する機関が必要だと見て、これを率いる集い「a4c(action4cinema)」の代表を引き受けた。
彼は、これまでのa4cの活動の成果に対する質問に、「日本でいろいろなことをしたが、なかなか(変化を)感じられなかった」と苦しい胸中を吐露した。
是枝監督は「このような団体があるべき理由と日本映画界に迫った危機感を共有できないのが最も大きな問題だ」としながら、「それでも諦めずに関連活動をしていこうと思う」と述べた。
