映画『パスト ライブス/再会』でオスカー入りのセリーヌ・ソン監督、「『パラサイト』やK-POPやドラマが開いてくれた道」
2024年02月07日

「『パスト ライブス/再会』は韓国語のセリフが多い映画なので、アメリカでは(上映する時)字幕が出る。このような映画が大衆に愛される道を開いてくれたのが(ポン・ジュノ監督の)『パラサイト 半地下の家族』だ。韓国映画や韓国的要素が多い映画を受け入れられるようにしてくれたからだ。K-POPやK-DRAMAもそんな道を開いてくれた」
映画『パスト ライブス/再会』で、映画界最高権威のアメリカ・アカデミー(オスカー)の候補入りを果たすことになった韓国系のセリーヌ・ソン監督(36)は6日、韓国のマスコミとのリモートインタビューでこのように述べた。
『パスト ライブス/再会』をはじめ、韓国系のイ・ソンジン監督が演出し、スティーヴン・ユァンが主演したNetflixドラマ「BEEF/ビーフ」が最近、アメリカ放送界の最高権威のエミー賞の授賞式で作品賞と男女主演賞を含む8冠を達成するなど、韓国系が頭角を現す理由は何だと思うかという質問に対する回答だった。
ソン監督の演出デビュー作『パスト ライブス/再会』は、来月10日に開かれる「第96回アカデミー賞」の作品賞と脚本賞候補に挙がっている。韓国系の女性監督が初の映画で作品賞にノミネートされ、話題を集めた。
ソン監督は「初めての映画でありデビュー作なので、光栄としか言いようがない。本当に感謝するだけだ」と述べた。
また、「韓国的要素を持った映画や韓国映画が世界的に愛されるということはとてもよいことだ」と笑った。
韓国で生まれ、12歳でカナダに移住したソン監督は、「韓国語が下手な点を理解してほしい」と言ったが、彼女の韓国語は、ほとんどネイティブだった。
ソン監督は「私が持つ移住者というアイデンティティは必ずしも韓国と連結しなくても、たくさんの人が持っていることだ」とし、「引越しをして新しい場所に行き、新しい人生を始めるのは、誰しもが経験することだ」と述べた。
『パスト ライブス/再会』は、ソウルで幼い時期を共に過ごした男女が20年ぶりにアメリカ・ニューヨークで再会しながら起きる話で、韓国系アメリカ俳優のグレタ・リーと韓国俳優のユ・テオが主演を務めた。ソン監督が、自伝的な話を基に自ら脚本に書いた。
彼女は「自伝的話をしているうちに韓国という背景と韓国語のような要素が非常に多い映画を作ることになった」とし、「映画を撮りながら韓国に帰って、過去を振り返り、私が韓国に置いてきたこともたくさん考えた」と打ち明けた。
大学で心理学を専攻し、劇作家として活動してきたソン監督は、映画演出をすることになったことについて、「『パスト ライブス/再会』の物語は、映画として作った方がいいという気がした」とし、「大陸を横切って数十年の時間が経つという話を視覚的に見せたかった」と述べた。
『パスト ライブス/再会』では、韓国的観念である縁が重要な主題として扱われる。映画では韓国出身の登場人物が、アメリカ人に“縁”という言葉を説明するシーンがある。
ソン監督は「このシーンのおかげで観客は縁という概念を知ることになる。新しい単語に接する楽しさも感じるようになる」とし、「韓国人ではない人々がその単語を書き、私に縁に対して多くのことを考えるようになったと言ってくれると、うれしい」と述べた。
彼女は「宇宙を行き来するファンタジーの英雄ではない平凡な人も、さまざまな時空間を通りながら不思議な瞬間や特別な縁があるということを話したくて、この映画を作った」と付け加えた。
ソン監督はハン・ソッキュ、チェ・ミンシク、ソン・ガンホ主演の映画『ナンバー・スリー NO.3』(1997)で有名なソン・ヌンハン監督の娘でもある。
彼女はアカデミーの作品賞と脚本賞にノミネートされたことに対して、家族の反応はどうだったかという質問には、「本当にとてもうれしくて、家族全員がただとても喜んでいた」としながら、「家族の反応を尋ねられるたびに、面白かい話をしたいが、実は単純だ。ただ幸せで誇らしい」と笑った。
昨年1月のサンダンス映画祭で初めて上映された『パスト ライブス/再会』は、「第73回ベルリン国際映画祭」のコンペティション部門に招待され、「第58回全米批評家協会」の作品賞をはじめとする各種賞を総なめにした。18日に開かれるアメリカ・アカデミーの授賞式では主演男優賞と外国語映画賞、オリジナル脚本賞の候補に挙がっている。
『パスト ライブス/再会』は、CJ ENMとハリウッド映画会社A24が共同で投資配給した。韓国では来月6日に公開される。
ソン監督は「私が生まれて12歳まで育った韓国で『パスト ライブス/再会』が公開されることは、とても光栄でうれしい」とし、「早く韓国に行って観客に会いたい。どう見ていただけるか、とても緊張してワクワクしている」と述べた。
