映画『遠足』のナ・ムニ、「演技というよりカメラに反抗するという感じだった」

2024年02月08日

7日に公開された映画『遠足(原題:소풍)』は、学生時代を共にした70代の女性3人が故郷で再会し、昔の思い出に浸る物語だ。

主演俳優ナ・ムニ、キム・ヨンオク、パク・グニョンは、まるで自分の人生の話を聞かせるかのように、自然な演技を見せる。観客は彼女らの姿から両親や祖母、祖父を思い浮かべるようになる。

「私たちの年齢になれば、そのような演技ができる。演技というよりカメラに反抗するという感じだった」

この日、ソウル・三清(サムチョン)洞にあるカフェで会ったナ・ムニはこう言って笑った。カメラを意識していないように演じたという話だ。

『遠足』でナ・ムニが演じた“ウンシム”は、事業がうまくいかず悩む息子を見ながら気をもむ。そんなところに友人であり親戚の“クムスン”(キム・ヨンオク)が現れ、彼女と故郷の慶尚南(キョンサンナム)道の南海(ナメ)に行くことになる。ここで彼女らは学生時代の友人“テホ”(パク・グニョン)と再会し、思い出に浸り、お互いの痛みを知る。

この映画のシナリオを先に見たナ・ムニが、キム・ヨンオクに出演を提案したという。共に過ごした時間が長いため、息が合うのだ。

「最初、ヨンオクさんは“やらない”と言っていた。だから私が“ヨンオクさんがやらないのなら、私もやらない”と言った。すると、私をすごく思ってくれているのか“やる”と言ってくれた」

2人の俳優は、様々なドラマやバラエティ番組で共演した。

ナ・ムニは、キム・ヨンオクについて、「売れていない時期に演技を一緒にした。その時にある程度、人生の勉強をした」とし「互いに目を見るだけで、心を通わせることができる仲だ」と話した。

長い間、友情を築いてきた秘訣については、「お互い親しくても礼儀は守り、それでいて必要な時はそばにいてあげること」だと話した。

青春の愛と苦悩を描いた映画『ワニ&ジュナ ~揺れる想い~』(2001)のキム・ヨンギュン監督が『遠足』の演出を担うことになり、制作はとんとん拍子に進んだ。

ナ・ムニは「『ワニ&ジュナ ~揺れる想い~』を見たが、とても良かった」とし「そんな感性と審美眼を持つ方なので、(私も演技を)もっと上手にやらなければと思い、全力を尽くした」と明かした。

『遠足』の撮影は、昨年の春に南海と釜山(プサン)で行われた。ナ・ムニは「その時、夫が病気だったが、長女に任せて私はずっと撮影現場にいた」とし、「一瞬たりとも他の場所には行かなかった」と振り返った。

彼女の夫は、昨年12月にこの世を去った。ナ・ムニは、「映画の撮影が5月に終わり、夫と共に過ごす時間が与えられた」とし、「惜しみなく愛を与える時、100万本の花が咲くという歌詞があるが、私も(死を控えた夫に)そんな花を咲かせられたと思う」と述べた。

演技を着実に続けてこられた秘訣は何かという問いにナ・ムニは、「年を取っても俳優として元気に演技できるなら、チャンスはいくらでもある」としながら、大衆とコミュニケーションを取る能力を挙げた。

彼女は、「最近も銭湯に行き、お客さんと一緒にヨーグルトを食べたりする」とし「そこでコミュニケーションすることについて学ぶ。感情のコミュニケーションと言える」と話した。

また「バラエティ番組もよく見る。“ヒューマンドキュメンタリー 人間劇場”や“6時、私の故郷(原題:6시 내고향)”を見ながら、(一般的な)おばあちゃんが、どのように生活しているのかを観察する」とし「そうしてこそ(作品の中でおばあちゃんを演じる時)下着を身に着ける演技一つでも、実際に近い感じで演じることができる」とした。

『遠足』の観客にどんな言葉を伝えたいかと尋ねると、ナ・ムニはこう答えた。

「3人の女性が主人公であるこの映画を見ると、人生が、どれほど長くて大変なのか分かると思う。30代にはまだ早すぎるかもしれないが、40代、50代、60代の観客たちは、すごく感じると思う。より老後を備えるようになるだろう」

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