韓国映画初の“トリプル千万”目前の『犯罪都市』…作品性の評価は?
2024年05月10日

俳優マ・ドンソクが率いてきたアクション映画『犯罪都市』シリーズが、“トリプル千万”達成を目前にしている。
先月24日の公開から、破竹の勢いでヒット街道を走ってきた『犯罪都市4(原題:범죄도시 4)』は、累積観客数1千万人突破のカウントダウンに入った。『犯罪都市』シリーズから、パート2(1,269万人)とパート3(1,068万人)に続き3作目の千万映画が誕生するというのだ。
しかし『犯罪都市4』は、シリーズのどの作品よりも多くの論議に包まれた。作品に対する評価も二分化し、スクリーン独占の論議にも火が付いた。
◇ 今週末ごろに千万突破が有力
9日、映画館入場券・統合ネットワークによると、『犯罪都市4』は8日に12万4千人あまり(売上額シェア率60.3%)の観客を集め、ボックスオフィスの首位を守った。累積観客数は884万3千人あまりとなった。
ハリウッドのブロックバスター『猿の惑星/キングダム』が公開されたにもかかわらず、1位を奪われなかった。『猿の惑星/キングダム』は、公開日となった9日に5万1千人あまり(26.6%)を動員し2位を記録した。
『犯罪都市4』は今週末ごろ、無難に1千万人を超える可能性が高い。この場合、『犯罪都市』シリーズは“トリプル千万”を達成することになる。外国映画としては『アベンジャーズ』シリーズが韓国で3本の千万映画を出したが、韓国映画シリーズが千万映画3本を出すケースはまだない。
マ・ドンソクが演じた怪力の刑事“マ・ソクト”が犯罪集団を一網打尽にして、最後の勝利を収めるという結末はおなじみのパターンだ。マ・ソクトのアクションが痛快ではあっても、シリーズ4まで続いたことにより勢いが衰えることもあり得るなか、いまだに人気を保っている秘訣はどこにあるだろうか。
映画評論家のユン・ソンウン氏は、「観客たちは『犯罪都市』シリーズに対して、予想を飛び越えるような面白さを期待しておらず、家族や友人と共に楽しめる娯楽映画の価値がある作品として見ているようだ」と述べた。
前作と差別化しようと加味した若干の変奏も効果的だった。
特に劇中、マ・ソクトのパートナーとなる組織暴力団出身のチャン・イス(パク・ジファン)は、前作でもシーンスティラーだったが、『犯罪都市4』では比重がいっそう大きくなり、コミカルな演技で好評を受けている。
マ・ソクトと対決をする悪党ペク・チャンギ(キム・ムヨル)も、外国の特殊部隊傭兵出身の“殺人機械”というイメージを強調しながら、作品の緊張感を高め、カリスマを発揮したと評価されている。
◇ 韓国映画の競争作なしに独走
『犯罪都市4』のヒットは、作品性よりは環境的要因も大きかったという見方がある。
ブラックホールのように観客たちが集まると予想していたかのように、韓国映画が『犯罪都市4』と同じ時期に劇場上映されることを避けた点が挙げられる。
実際に、『犯罪都市4』が劇場街の話題に上った先月中旬から現在までに公開された韓国商業映画は1本もない。『犯罪都市4』と同じ日に公開されたホン・サンス監督の『旅行者の必要(原題:여행자의 필요)』をはじめ、独立芸術映画数本だけだった。
ピョン・ヨハンとシン・ヘソン主演のスリラー『彼女が死んだ(原題:그녀가 죽었다)』が公開される15日まで、『犯罪都市4』に対抗する韓国商業映画はないというわけだ。
同期間、ハリウッド映画『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』(4月17日)、『チャレンジャーズ』(4月24日)、『フォールガイ』(5月1日)などが公開されたが、『犯罪都市4』のライバルにはならなかった。
そのため、『犯罪都市4』がスクリーンを独占したかのような現象が起きた。劇場も『犯罪都市4』のヒットを予想し、競争的に集中して上映を続けた。
『犯罪都市4』は公開直後、上映占有率が82.0%まで上がった。韓国の劇場の一日の上映回数の中で『犯罪都市4』の比重が80%を超えたのだ。全体の上映館の座席の中で、『犯罪都市4』に配分された座席の比重を示す座席占有率は、最高85.9%を記録した。
そのぶん、他の映画は観客の選択を受けにくくなった。今年初の千万映画となったチャン・ジェヒョン監督の『破墓(原題:파묘)』を見ても、初期上映占有率が50%台にとどまった点を考慮すると、『犯罪都市4』の独占はよりいっそう目立つ。
映画評論家のチョン・ジウク氏は、「ひとつの映画の上映占有率が80%を超えるということは、他の映画を犠牲にしながら、短期間で多くの観客を動員するということで、全体的な映画産業の発展のためにはあまり望ましくない」と批判した。
◇ 長期的にシリーズを続けるには変化が必要
『犯罪都市4』はヒットには成功したが、長期的な観点からシリーズの成功のためには、作品性も振り返らなければならないという指摘も出ている。
『犯罪都市』シリーズの主演だけでなく、企画、脚本、製作も主導してきたマ・ドンソクは、シリーズ8まで作ると明らかにしている。シリーズ5から8は現在、シナリオを書いている段階だ。
『犯罪都市4』は若干の変化を加えたが、前作を踏襲したレベルにとどまったという声も出ている。
これを意識したかのようにマ・ドンソクも最近、記者懇談会で「シリーズごとに進化しないなら、シリーズ1で終わるべきだ。シリーズで作る必要はないと以前から話してきた」と強調した。
果敢に変化を導入しながら、今も高く評価されているシリーズ1のDNAをうまく継承することが重要だと専門家たちは助言する。
ユン・ソンウン評論家は「人々に尋ねると、『犯罪都市』シリーズでシリーズ1が一番面白かったという反応が多い」とし、「魅力的な悪役や強力班のチーム員たちの固い友情のようなシリーズ1の初心をしっかり守っていく必要がある」と述べた。
