10周年を迎えたJANNABI、「聴きやすい音楽と闘志をお見せする」
2024年07月29日

「僕たちなりに根気よくステージを準備している。通り過ぎる人たちの心に、僕たちの音楽が入るように。10周年を迎え、“聴きやすい音楽”にもっと力を入れていきたいと思う」(チェ・ジョンフン)
グループサウンドJANNABIにとって、2024年の今夏はひときわ特別だ。
2014年に「Love」でデビューして以来、10年となった今年、2人のメンバーが韓国の看板ロック音楽フェスティバル「INCHEON PENTAPORT MUSIC FESTIVAL」(以下、PENTAPORT)に8月4日のヘッドライナー(看板出演者)として立つ。
「for lovers who hesitate」、「GRIPPIN’THEGREEN」、「I Know Where The Rainbow has Fallen」など、JANNABIは多くのヒット曲を輩出したため、ヘッドライナーとして立つのは自然なこととも言える。しかし彼らは、10年前となる2014年の今頃、PENTAPORTで新人紹介プログラムの「スーパールーキー」の舞台に立った。
ロック音楽の不毛の地のような韓国で、10年間粘り強く自分だけの話を書き下ろし、ルーキーからヘッドライナーに躍り出たのだ。
PENTAPORTと続く単独コンサートの準備真っ最中のJANNABIの2人のメンバーに、京畿(キョンギ)道城南(ソンナム)市の練習室でインタビューした。
チェ・ジョンフン(ボーカル)は、10年前も今も変わらずに守ろうとする価値で代表曲「for lovers who hesitate」の歌詞に出てくる“優しい心”、そして“Old Fashioned”という単語を取り出した。グループの核心的なアイデンティティだということだ。
彼は、「母、父、祖母、友人たち、僕たちの音楽を知らない誰にでも、僕たちが言おうとする言葉を伝えられるようにしようというのが基本的なアティチュードだ」とし、「簡単で親切な音楽になってほしいという考えで、キーワードにした歌詞が“優しい心”だった」と指摘した。
それと共に、「公演のたびにパワーを差し上げたい」とし、「“Old Fashioned”な価値が人生の精髄であり、すなわちクラシックだということをお見せしたい。今この時代を生きていく同年代、弟、あるいは兄の前の舞台で汗を流し、闘志を見せ、野望を精一杯見せたい」と強調した。
キム・ドヒョン(ギター)は、「バンドをしながらあの舞台(PENTAPORTのヘッドライナー)にいつかは立てるという思いで頑張った」とし、「夢の一編を成し遂げた感じで感慨深い」と感想を明かした。
チェ・ジョンフンも「幼い頃からロックジャンルのファンとして、『今年のヘッドライナーは誰だろうか』と期待していたほどロックキッズだった」とし、「僕たちが、そんな舞台に立つことになったとは、夢が叶ったという気もするし、一方では緊張もかなりする」と述べた。
「10年前、ルーキーとして初めてPENTAPORTの舞台に立ったときは、人々が一度でも僕たちの音楽に耳を傾けてくれて、公演を見てほしいという思いで頑張った。ヘッドライナーとして立つことになったが、その気持ちは変わっていない。まだ、僕たちの音楽を知らない方々に、僕たちの音楽が届いてほしい」(キム・ドヒョン)
JANNABIは10年前も今も、ノスタルジア(郷愁)を思い出させるおぼろげな音楽、もう一度かみしめる歌詞、温かな質感のサウンドでアイデンティティを維持している。バンドの代わりに古めかしい“グループサウンド”という名詞も我を張って守っている。
チェ・ジョンフンは、「あるイベントで年配のMCが『グループサウンド』と僕たちを紹介したのが、とても面白かった」とし、「“ボカール”チェ・ジョンフンと“電子ギター”キム・ドヒョンと紹介された。気に入ったので、その後はグループサウンドということにした」と説明した。
彼らは面白さのために“グループサウンド”だと言ったが、音楽では誰よりも真剣だった。メロディーを強調する作法と、サイケデリックなサウンドは、1960年から80年代の韓国大衆音楽を先導したグループサウンドの大先輩たちに似ている。JANNABIは実際に、「Songolmae」や「Sanulrim」の名曲もカバーしたことがある。
チェ・ジョンフンは、「幼い頃から母はSanulrimのファンで、車に乗ればいつもSanulrim先輩たちの歌が流れていた」とし、「僕にとってSanulrimは童心のノスタルジアのような感じ。Sanulrimとキム・チャンワン先生の後を継ぐ音楽家になれたら幸いだ」と真剣に語った。
JANNABIは、レトロまたはニュートロブームが吹くずっと以前のデビュー初期から、特有の古風な音楽色を守ってきた。
チェ・ジョンフンは、「僕たちは思考自体が過去志向的。幼い頃に音楽を初めて始めて受けた衝撃に、依然として包まれている」とし、「僕たちが感動して胸がときめかせた音楽は、昔の作法に依存したダイナミックなメロディーだ。それを基板にした音楽を作っていたら、自然とクラシックな作法を認識して使うようになった」と述べた。
メンバー2人とも1992年生まれの32歳で、ニュートロ文化を面白いと感じる10代から20代よりが上の世代だが、一方でグループサウンド音楽を実際に享受した40代から50代よりは下だという点が面白い。
チェ・ジョンフンは、「経験はしていないが、感じることはできる。ノスタルジアという単語以外には浮かばない」と述べた。
JANNABIは、ニューアルバムも準備中ではあるが、発売する時期を決めていないと述べた。彼らの言葉を借りるなら、「突然やってきそうな感じ」だそうだ。
チェ・ジョンフンは、「サウンドの側面で、僕たちなりに研究している」とし、「昔の楽器であるビンテージシンセサイザーを購入して、最近の方式でコピペする実験をしている。昔の作品を破ってコラージュを作るように、サウンドを作っている。最近の音楽のようで、妙に昔の音楽の感じがする」と明かした。
彼らは、PENTAPORTのヘッドライナーの舞台だけでなく、8月31日のソウル・蚕室(チャムシル)室内体育館を皮切りに、単独コンサートも行う。蚕室室内体育館は収容観客1万人台のKSPO DOME(体操競技場)に足を踏み入れる前の最後の関門のように思われる場所で、有名なK-POPアイドルスターもコンサートを開く公演会場だ。JANNABIの単独コンサートは、全回が売り切れとなった。
チェ・ジョンフンは、「韓国でPSYさんと同じくらい大規模の公演をしたい。たくさんの人に僕たちの音楽をお届けしたい」とし、「僕たちがこんなふうに公演をカッコよくする人々だということを知らせたい。僕たちはこの10年間、そんな公演を作ってきたからだ」と抱負を紹介した。
JANNABIは今回の単独コンサートで、「MOVIE STAR RISING」をサブタイトルにして映画のようなストーリーテリングを解く計画だ。
映画の話が出たついでに、彼らに10周年の感想を映画にたとえてほしいと頼んだところ、ハリウッドシリーズ「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」だという答えが返ってきた。
チェ・ジョンフンは、「『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の登場キャラクターのように、中途半端で大したことない僕たちも集まった時にシナジーを作っている」とし、「これからの10年間も、僕たちだけが楽しんでやっていることで、もっとたくさんの方に喜んでもらいたいという利己的な気持ちだ」と述べた。
「最近は、僕たちの(バンド)ジャンルにも風が吹いている。もっと強い風が吹いてほしい。僕たちだけのよい音楽ではなく、拡張性を持ってたくさんの人々に愛されてほしい」
