新譜『GROWTH THEORY』発売の歌手ユンナ、「空まで行けなくても海を目指す」

2024年09月04日

「(『Event Horizon』が)1位になって、うれしかったが、私がすべき仕事に早く戻りたかった」
今年でデビュー20周年を迎えた歌手ユンナは、6thアルバムのリパッケージタイトル曲「Event Horizon」が、大ヒットした後、オーストラリアに旅立った。ある海岸で初めて出会ったエキゾチックなマングローブの木は、塩分を多く含む海水にも負けず、多くの魚の拠り所となっていた。
現地のガイドに、「悪臭がするので近づかないように」と言われていた木だった。きれいでもなく、匂いもするが、黙々と自分を他の生命に渡す姿に、ユンナの頭の中の電球が、“ピカっ”とついた。彼女の7thアルバムの作業はこうして始まった。
ユンナは2日、7thアルバム『GROWTH THEORY』の発売記念共同インタビューで、「マングローブに人格を与えたら、どんな感じなのか考えたら、私が感じたプレッシャーなどは小さいものだった」と述べた。
彼女は、「(『Event Horizon』が)1位に長く安着しているのを見て、これは私の努力で得られた成果ではなく、運の領域だという気がした」とし、「そこから来る負債意識とプレッシャーが大きかった。私の自己価値を上げるのではなく、早く次のことをしなければならないという気がした」と強調した。
ユンナは、2004年に日本で先にデビューし、「ほうき星」、「Password 486」、「Broke up today」などのヒット曲を残した。特に2022年にリリースした「Event Horizon」が、チャート逆走行を繰り広げ、音源チャートの1位を席巻するという喜びも味わった。
今回の7thアルバムは、ユンナの“セオリー”(理論)3部作の中の2番目となる作品だ。ユンナは新譜で、視線を広大な宇宙から、地球の海に移した。少女、マンボウ、そして小さくて古いヨットが共にする旅程だという細かいストーリーテリングを描き出した。
「主人公の少女がいる。地球に衝突しに来る彗星が、この少女と交信して、ブラックホールに入り、犠牲になる内容だ。これを見て、長い間呆然としていた少女が、現実を自覚してストーリーが始まる。いつまでも(彗星を)恋しがってばかりいるわけにはいかないので、気を引き締めてどの道を歩んでいくべきなのか悩むようになる」
ユンナは、「少女は私を投影したものかもしれないし、リスナーを投影したのかもしれない」とし、「少女がマングローブの木を見て勇気を得る内容だ」と紹介した。
ニューアルバムには、タイトル曲「Sunfish」をはじめ、ワルツを連想させる3拍子が印象的な「Mangrove tree」、強烈なロックサウンドの「Antmill」、勇気のある挑戦を応援する「Silvering」など10曲が収録された。
ユンナは、「体操競技場(KSPO DOME)に立つことができたので、少なくとも1~2回はもっと行けるのではないかという期待から、規模の大きい作業をしてみたかった」とし、「今度は完全なロックアルバムにしてみたいという欲があった」と説明した。
また、「サウンドが華やかでこれを体感してほしいと思った」とし、「6thアルバムは、映画『インセプション』のように、無意識や夢の中で聴いている感じがするが、今回は本当に海の中に入るような、ファンタジーなのか現実なのか区別がつかない感じを出してみたかった」と付け加えた。
彼女の言葉のように、第1トラックの「Mangrove tree」は、まるで大自然にスポットを当てたドキュメンタリーのように躍動感があふれる。第4トラックの「Silvering」では、アコーディオン、ホイッスル、チャング、ケンガリなど、東洋と西洋の楽器たちが明るい演奏でひとつの広場を繰り広げる。
タイトル曲「Sunfish」は、他人の評価や基準ではなく、自らが本当に正しいと思う道を行けばいいというメッセージを込めた楽曲だ。楽曲名はマンボウの英語名“Sunfish”から取ってきた。
ユンナは、「この魚が思ったよりすごい。水面から深海800メートルまでを行ったり来たりできるし、20年くらい生きられる」とし、「成体が20年も生きるなんて、(今年でデビュー20周年を迎える)私と運命的な結びつきを感じたりもした」と明かした。
それと共に、「私の理想は、空のように広々とした寛大な人。無限な人になることだが、現実はそうでもなく苦しい瞬間も多い」とし、「空を目指すことはできなくても、空を込めた海は目指すことができるのでは、“海の太陽”(Sunfish)になれるのではと思い、この楽曲を作った」と述べた。
第二の全盛期を迎えた彼女にとって歌手とは、「打てば歌を歌う人」でなければならないという。
ユンナは、「ただ“バットを作る職人”だと思いながら、曲を作り歌い続ける」とし、「休むことはできない。“波が来た時に漕げ”と言うが、漕ぐだけ漕いで腕をケガしてしまうこともある。長期レースだと思い、地道に歌おうと思う」と笑った。
ユンナは、アルバム全曲の作詞と作曲に参加した。彼女が外国語を最大限排除して書いた歌詞には、韓国語特有の言葉の味が爽やかに豊かに弾ける。
彼女は、「私は韓国で生まれ育ったので、外国人には分からない韓国語とハングルの自負心を持って作業しようとした」と述べた。また、「私の創作の原動力は好奇心だ」と述べ、コラボしたいK-POPスターに、aespaとメンバーのKARINAを挙げた。
「Sunfish」は、発売直後にMelOnの“TOP100”チャートの100位以内にランクインするなど、順調なスタートを切った。自然と3部作の最後を飾る次回作に対する期待も高まる。
「水面から深海までさまようマンボウの姿が音楽的に欲の多い私と似ていると思う。宇宙(6thアルバム)から海と地球(7thアルバム)に来たので、次は家や群落のようなもっと小さな空間に移動したい(笑)」

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