ミュージカル「アイ・チャーム」…韓国で初めて二重まぶたの手術をした女性の物語
2024年12月04日

「二重まぶたの手術をしに来ました」
モデルのように堂々とした“ウォーキング”で舞台に登場したヒョン・ソクジュ(チャン・ユンジュ)が、白いガウンを着た医師にこう話す。医師は、韓国で全く症例のない手術を本当にするのかと問い続け、ヒョン・ソクジュは「やる」という意志を見せる。こうして、韓国で初めて二重まぶたの手術をした医師が誕生する。
国立貞洞(チョンンドン)劇場が披露する創作ミュージカル「アイ・チャーム」は、1930年代の京城(キョンソン)を背景に、美容師として自身の美しさを追及していった女性の話を描いた。実際に1930年代、韓国で初めて二重まぶたの手術をして、電気パーマを導入した美容師“オ・ヨプジュ”の人生を素材にした。
「アイ・チャーム(eye charm)」は、二重まぶたを作るテープを称する言葉で、女性たちが生涯初めて自分を飾るという意味を込めた。「“魅力(charm)”がある目」、「魅力のある私自身」という意味も込められている。
3日、ソウル・中(チュン)区の国立貞洞劇場にてマスコミ向けに一部公開された公演ではタイトル通り、女性たちが自分を飾る行動を素材にした歌と踊りが繰り広げられた。
楽曲「彼女の手(原題:그녀의 손길)」、「洗髪(原題:머리감기)」、「ロングヘア(原題:긴 머리)」などに合わせて、美容施術を受けに来た女性たちの髪が、変わる。ヒョン・ソクジュが開いた美容室が背景となっている。俳優たちは、このシーンのために美容技術を練習した。
しかし、当時の女性たちが自分を飾る行為は容易でなかった。“テンギモリ”(長い髪をひとつにまとめて三つ編みにしたスタイル)を切り、短いスカートをはいた女性を母親が追いかける。記者たちはヒョン・ソクジュの美容室を「みだらな美容室」であり、「国の秩序を乱す場所」という印を押す。人々は、韓国で初めて二重まぶたの手術をしたヒョン・ソクジュを、「京城の怪物」と非難する。
それでも女性たちは、自分の美しさを見つけると歌い、ヒョン・ソクジュもまた、誰よりも堂々としている。記者たちが撮影するとポーズを取ったり、取材に来た記者たちを飾り、彼らの健康と美しさを見出してあげたりする。
だからと言ってショートヘアなど、当時は斬新だったスタイルだけにこだわるのではない。ヒョン・ソクジュは、娘を追いかけてきた母親に、“おかっぱ頭がよく似合う”と話す。それぞれの美しさがあり、それを追求していくのが健康だというメッセージを投げかけるようだ。
制作陣は、ヒョン・ソクジュの登場で多彩になる舞台を表現するために、衣装やパフォーマンスなどを1930年代のスタイルに限定しなかったとし、これを“レトロフューチャリズム(retro futurism)”という言葉で表現した。過去と現在、現在と未来を貫くコンセプトでアプローチしたということだ。
主人公のヒョン・ソクジュ役は、ミュージカル「レッド・ミー・フライ」、「マチルダ」、「ファン・ホーム」などに出演した俳優パン・ジンウィと、モデル兼俳優のチャン・ユンジュが担った。チャン・ユンジュは、この作品で初めてミュージカルに挑戦した。
チャン・ユンジュは、「20年以上ファッションショーを圧倒した人として、舞台が恋しかった」とし、「演技に対して自信がないため、『舞台で演技をすれば私が少し変わるだろうか』と漠然と考えた」と、出演背景を説明した。
それと共に、「小学1年から中学3年まで聖歌隊をして、合唱の美しさを知っている」とし、「久しぶりに楽譜を見ながら歌うのが、一番面白かった」と述べた。
パン・ジンウィは、「ヒョン・ソクジュは健康な人物だと思う」とし、「ヒョン・ソクジュが自分の道を開拓していく過程が面白く、(この役を)やりながら私も多くの影響を受けた」と述べた。
国立貞洞劇場のパク・ジンワン公演企画チーム長は、「オ・ヨプジュという人物は、堂々と本人が追及することを開拓していき、(社会的偏見や制圧に)妥協せずに新しいことを作っていくキャラクターだ」とし、「貞洞劇場の色に合うと思い、制作することになった」と説明した。
公演は、29日まで国立貞洞劇場で上演される。
