家のない就活生の厳しい冬越し…映画『二月』
2019年01月23日

今月30日に公開される映画『二月(原題:이월)』の主人公、ミンギョン(チョ・ミンギョン)は2月に似ている。 冬でも春でもない、季節に当てはめることができない妙なキャラクターだ。傷つける言葉と行動をする憎らしい彼女だが、境遇があまりにも哀れで憎むこともできない。不憫な感情を持ちつつも側には置きたくない“変わった子ども”がミンギョンだ。
脚本と演出を担ったキム・ジュンヒョン監督は、キム・フンの短編小説からインスピレーションを受けた。鷺梁津(ノリャンジン)で9級公務員試験を準備する主人公の哀歓を描いた小説と同様に、映画も公務員試験を準備するミンギョンの厳しい冬を淡々と追う。
映画はミンギョンが、バイトしていた餃子店で泥棒として追い立てられるシーンから始まる。
保証金まで使い果たし、住んでいた半地下の部屋からは追い出される羽目になる。恋人か、単なる客なのか、微妙な関係のジンギュ(イ・ジュウォン)とは、一晩を過ごした後、いつにも増してお金を要求する。
キム監督は、実際に経験した様々な人物を、ミンギョンのキャラクターに溶け込ませた。
「ミンギョンは傷つきたくないがゆえに、先に傷を与える人物で、自尊感が低いというのを見せるのが嫌でプライドを押し通す人物」と紹介。
ミンギョンはジンギュの家に押し入り、彼の7歳の息子ソンフンの世話をしながら、公務員試験を準備する。
しかし、そこでの幸せな時間も束の間。幸せに慣れていないミンギョンは、予想外の行動を取ってしまい、せっかくの平穏な日々も長続きしない。
監督は「表向きでは危ないように見え、側に置きたくない人物であっても、観客たちがその人物を理解してくれたら嬉しい。人それぞれ、それなりの理由と生い立ちがあるだけに、彼らを仲間はずれにせず、“あなたを捨てはしない”というシグナルでも送ってくれることを願う」とコメント。
新人女優のチョ・ミンギョンを起用して制作された『二月』は、第22回釜山映画祭でビジョン-監督賞とネットパック賞の2冠王の栄誉を手にし、第43回ソウル独立映画祭の大賞を受賞している。
