チョン・ドヨン「母になったら更に感情移入…一歩退いて演じた」

2019年03月26日

「2回出演を断りました。セウォル号の事件を題材にしたというプレッシャーと、『シークレット・サンシャイン』のシネが思い浮かんで断りました」

25日鍾路区三清洞で取材したチョン・ドヨンは一言一言慎重に言葉を選びながら話し始めた。彼女は来月3日公開される映画『誕生日(原題:생일)』で、セウォル号の惨事で息子を失ったスンナム役を担った。『シークレット・サンシャイン』のシネ役に続き再び子供に先立たれる母親の役だ。

「『シークレット・サンシャイン』以降子供を失う母親の役はしないと決心しました。しかし『誕生日』は生き残った人たちの話。彼らを応援でき、力になれる話だったので最終的に選択しました」

『誕生日』でスンナムは息子の死を受け入れられない。涙さえも枯れたように冷めた表情で一日一日を生きていく。どんなに抑えても悲しみは日常をかいくぐって現れる。洗濯機を回すとき、幼い娘がおかずの文句を言うとき、ハンガーにかかった制服を見つめるとき、真夜中に玄関の蛍光灯が勝手に光るとき、悲しみは胸を痛めつける。

「『シークレット・サンシャイン』のときは結婚していなかったので、シネを理解しようと全力を注ぎましたが、『誕生日』を撮影するときは一歩退いてみようと努力しました。今は子供の母親になったので子供を失ったときの悲しみがとても大きく感じられたんです。そのため実際に私が感じた感情とスンナムが感じる感情をはっきり区別しようと心掛けました」

卓越した演技力を持つ彼女だが、容易ではない役柄だった。感情的な消耗が体力的な消耗に繋がり、撮影が終わって夜眠る時は気を揉んだそうだ。

「仕事をしながら子供3人を育てているワーキングマザーの友達が、試写会で映画を観た後、メッセージを送ってきました。毎日大変だと愚痴を言って、ストレスのせいで子供の面倒をしっかりみれていなかったけど、この映画を観た後、今生きているということ、家に帰れば愛する家族がいるということに感謝して、毎日生きていかなければならないと思ったという内容でした。この映画を見た観客もそんな感情を感じることが出来る作品です」

 

1990年にデビューし活躍してきたチョン・ドヨンは『シークレット・サンシャイン』でカンヌ映画祭女優主演賞を受賞し、“カンヌの女王”というニックネームも生まれた。

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